どうなる大阪都構想、法定協議会報告

 4月12日(金)に第二回目の特別区設置の法定協議会が行われた。第一回目が特別区の区割り説明に終わり、発言の機会がなかったが、今回は、府会議員とも打ち合わせをして、新たな提言をすることになっていた。

 協議会が始まり、浅田会長から、人口規模に関する切り口の議論を提示され、案を示そうと思ったのだが、維新の坂井委員から維新の会マニフェストの話と大阪市の昔の合区計画の話が出て、????の嵐。

 自民党からは、人口推計そのものへの疑問点が提示され、道州制の議論がはじまったり、そのときに大阪都はどうするのかなど、どんどん話が拡散する。

 確かに、USTで、これまでの推進協議会の様子を見ていただけに予想はしていたが、いつの間にか、1時間半が経過していた。

 ようやく、一段落して、そもそものテーマ提示があった人口規模のバリエーションについて、清水府議から20万人規模の新たな提案が出て、私が説明するという形になった。

 20万人規模ありきというわけではなく、人口規模をプライオリティにおくよりも、これまでの歴史や地縁、血縁、人間関係を主体としたコミュニティ重視なら、隣接区の2~3区の合併の方が理解が得られやすいのではないかと提案した。

 また、これまで、行政区の公募区長の仕事ぶりや星付けの状況を見ても、区役所の対応でさえ、星が一つもつかない区が10もあるなかで、中核市並みの行政運営がそもそもできるのか、どのみち財政調整をするのなら、真にニアイズベターを実現できる体制を考えると中核市並みの権限が必要なのかと疑問を呈した。

 大阪市でさえ、既存の福祉を削り、新たな福祉をつくるという作業を余儀なくされているわけで、権限あって、財源なしでは、何の意味もないと橋下市長には、苦言を呈させていただいた。

 そもそも大阪市も赤字団体、大阪府も赤字団体なのだから、のりしろは全くない。完全なる基礎自治を目指すなら、大阪市内を分市すべきで、そうなると実は、大阪市であるよりも、1000億円も予算配分が増える。その道を選ばないのなら、効率化とコスト削減を図るしかない。

 東京のような特別区を今からつくれば、膨大なコストが発生する。大阪市の基金は、将来リスクで消える可能性があるので、そのコストは、権限を得る大阪府が負担することになる。必然的に、大阪市以外の42市町村が受け取る補助金が少なくなるか、またぞろ、借金を増やすしかないのだ。

 そんなことは、できないので、事務事業のコストパフォーマンスを得るために、特別区連合の重要性もお話をさせていただいた。都と特別区連合と特別区、さらには、身近な区役所を生かすために、現在の行政区を地域自治区とすることも提案した。二重三重にならないよう、事務事業を明確に分けて、ピラミッド構造から、横割りの役割分担の行政組織に再編することが必要で、これは、道州制の考え方にも通じる。

 というわけで、報道では、20万人プランという題名ばかりが踊っていますが、もう少し細かい議論をさせていただいたことをご報告いたします。

 

1区当たり人口規模案 公明は「20万人」 - 大阪日日新聞 http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/130413/20130413040.html

2013年4月13日

 「大阪都」の設計図について話し合う「大阪府市特別区設置協議会」(会長・浅田均大阪府議会議長)の第2回会合が12日、大阪市役所で開かれた。基礎自治体として最適な1区当たりの人口規模について議論。橋下徹市長側から示されている30万人もしくは45万人とする試案のほか、府市議の公明委員からはさらに細分化した20万人案が提示された。

適切な人口規模について議論する委員ら=12日午後、大阪市役所

 人口規模については、現在、1区当たり45万人とする5区案と、30万人の7区案のそれぞれ、北・中央区を分離・合体させる試案が提示されている。

 これについて、公明府議の清水義人委員は「身近なところに行政がある方がいい。20万人程度も比較してもいいのでは」と提案。同じく公明市議の辻義隆委員も、先日公表された区役所の格付けを例に「今の24区でも星がもらえない状況で不備を補えてない」と指摘した上で、「究極はニア・イズ・ベター。現場の声が政治に反映させられるのなら中核市並みの権限がもらえなくてもいいのでは」と、住民ニーズを反映させやすいコンパクトな規模を主張した。

 また日本共産党市議の山中智子委員からは、各区割り案のコストも検討対象にすべきなどとする同党大阪市議団の方針も示された。

 協議会終了後、橋下市長は、記者団に対し、中核市並みとされる30万人以上の規模について、「サービスの提供に権限と財源がベスト。コストも一番安い」としながらも、清水、辻両委員からの20万人案について「市議会では公明の意見がなければ進まないので、最大限尊重したい」と述べた。また人口規模の案は「30、45と20万で決定」とし、3案で議論を深めていく考えを示した。

 次回は26日に府庁で、事務分担について議論を行う。

 

コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    日本人 (木曜日, 30 5月 2013 19:24)

    公​明​党​は​遂​に​「​強​姦​推​進​党​」​に​ま​で​堕​落​し​た​!​!

    ​橋​下​市​長​の​問​責​決​議​案​、​否​決​へ​ ​公​明​が​反​対​ ​-​ ​芸​能​社​会​ ​-​ ​S​A​N​S​P​O​.​C​O​M​(​サ​ン​ス​ポ​)
    ​h​t​t​p​:​/​/​w​w​w​.​s​a​n​s​p​o​.​c​o​m​/​g​e​i​n​o​/​n​e​w​s​/​2​0​1​3​0​5​3​0​/​p​o​l​1​3​0​5​3​0​1​8​1​1​0​0​0​2​-​n​1​.​h​t​m​l

  • #2

    野崎勝巳 (木曜日, 04 7月 2013 16:48)

    大阪市の幼稚園の民営化はやめてほしいと思います。
    公立の幼稚園も有り、私の幼稚園も有りで、いいのではありませんか?

  • #3

    金岡 新 (水曜日, 09 10月 2013 18:42)

    府市統合の法定協議会会長の浅田会長は、都構想の効果額については質疑を制限するって言ってます。4000億円とホラをふいて、今頃になってその10分の1程度か示されなかったので、臭いものにフタしたいのだろう。問題は、公明党がどんなスタンスで、都構想に望むのか? はっきりしてほしい。衆議院での議席欲しさに維新の会となれ合ったのですから、そろそろきっぱりと維新と縁を切るべきです。