一般質問 公明党 土岐議員の巻

平成261022日 一般質問
公明党 土岐恭生議員

 

(土岐議員)

 大阪市を解体する特別区設置協定書についてお伺いいたします。

 特別区設置協定書については、10月9日、10日の両日に開催された財政総務委員会、1010日に開催された5つの常任委員協議会において、各委員が市民の目線に立って協定書の細部にわたって検討したうえで質疑を行ったところであります。

その結果市長が設計図と呼んでいるこの協定書にはさまざまな不備があり、そのまま実現すると、市民生活にあまりにも大きな悪影響を与えるものであるということが明らかになりました。その問題点について以下質問いたします。

 

 

<中核市並みの特別区について>

(土岐議員)

まず、中核市並みの特別区についてであります。

中核市並みの特別区を目指すといいながら、法令改正を行うことは諦め、事務処理特例の制度でお茶を濁しています。協定書に記載されている事務配分を見ますと、まちづくりの重要な権限である都市計画法上の用途地域の指定等が、7月の「法定協議会」で十分な議論もなく大阪府の権限とされてしまいました。特別区では、都市計画にかかる権限が制限され、中心市街地の再開発を主体的に行うこともできません。

一方で、財源については、固定資産税や法人市民税などが大阪府の税源とされ、財政調整交付金として特別区に配分されることとなりますが、必要な財源が担保されるかどうか、不透明であります。交付金の割合については、特別区が設置された後は都区協議会で検証すると言われますが、特別区の意見がどこまで通るのか、見えていません。

こうして協定書を点検していくと、中核市どころか、一般市以下の自立性のない自治体になってしまうことは明らかであります。

結局のところ、中核市並みの特別区は幻であったといわざるを得ませんが、市長のご見解をお願いいたします。

 

(橋下市長)

 新たな大都市制度におけるまぁ特別区、いわゆる大阪都構想のこの協定書については、議会からさまざまな問題点、指摘をいただいていることは承知していますが、重要な視点はですね、今の大阪府、大阪市役所の体制には、この大阪都構想よりもはるかに大きな問題と数多くの問題点が含まれているというところをまず前提としなければいけません。

 今の大阪府と大阪市の体制で、あの本当に日本でも笑いものになってきたこの二重行政というものがずっと行われてきて、先ほども公募区長から意見がありましたが、ニア・イズ・ベターの観点で区民のみなさんに施策を展開しようと思っても、さまざまな制約からできない、いわゆる今の大阪府、大阪市、この体制にも数多くの問題点といろいろな数多くの大きな問題点があるということです。

この特別区設置大阪都構想にも問題点があるかもわかりませんが、今の大阪府、大阪市の体制と比べてどちらのほうがいいのか、今までのこの大阪府、大阪市の失敗を改善するためには何をしなければいけないのかという視点で考えれば、今の大阪府庁、大阪市役所の体制よりも、この特別区を設置した新しい大都市制度、大阪都構想のほうがはるかにマシだと僕は考えています。

 用途地域の権限等について、いろいろ議論がありますが、まずこの問題点の根本的な見解の相違はですね、大阪府庁、大阪府知事というものをいわゆる市民の敵対組織と考えるかどうかですね。

 これは、大阪市議会からすると大阪府議会、大阪府知事はちょっと外部の組織の人間というそういう認識があるのかもしれませんが、大阪市民にとっては自らが選挙で選んだ代表でありますから、大阪市民からとったら大阪府も大阪市も一緒です。

 そういう視点に立つと、例えばこの用途地域等の権限についても大阪市内だけでこの都市計画を進めるのか、大阪市の周辺の自治体も含めて、まあ僕のいうところのグレーター大阪ですけども、東京23区に匹敵するようなエリア。そのぐらいの面積で都市計画を進めていくのか。どちらの方が大阪市民、大阪府民にとっていいのかといえば、僕は後者だと思います。豊中市、吹田市、東大阪市、守口、門真、松原、八尾、堺市、そのあたりを含めてですね都市計画はしっかりと一体となってやっていくべきだと思います。

 また、中核市権限無いじゃないかといわれますが、これはいろいろと議論した結果ですね、例えば中核市にも与えられていない教員の人事権や児童相談所の権限。これは、今回特別区の権限にするということになりまして、東京の23区でも持っていない権限をこの大阪での特別区は権限を有することとなります。

 まあ、もともと大きな方針としては、中核市並みということを一つの大きな方針としましたので、細かな権限で、特別区は持たないもの広域行政に移ったものもあるかもしれませんが、逆に本来だったら広域行政が持つもの、中核市が持たないものもこの特別区が持つことになりまして、あとは総トータル的に現在の大阪府、大阪市の体制と比べて、この新しい大阪都構想が良いのかどうなのか、そういう視点で是非議論をしていただければと思います。

 

 

<ニア・イズ・ベターの実現について>

(土岐議員)

 固定資産税とか法人市民税とかいった自主財源が無いのが良いということにはなりません。法令改正も諦めてらっしゃいますから、やはりこの都市計画にかかる権限についても国のいうままということで、今は一つの大阪でできているものを大阪府と特別区に分けなければならないというようなことになっているわけでありますから、とても中核市並みということにはなっておりません。

 次に、ニア・イズ・ベターの実現についてお伺いいたします。

特別区の設置に関しては「ニア・イズ・ベターの充実」が実現できるということが目的の一つに掲げられており、これまでも大きく喧伝されてきました。市長も維新の会の議員の方々も基礎自治体の規模としては30万人が最適であると繰り返し主張されていましたが、今回、協定書を見ると、大阪市を分割して5つの特別区にするとしているが、その別区の中には70万人規模の特別区も含まれています。

法定協議会においても、5区、7区の区割り案の検討の際に、突然5区案に絞りこもうとされましたが、その理由はシミュレーションの結果、5区案のほうが経済的に合理的であるということでありました。

まさに、ニア・イズ・ベターの観点を放棄したといわざるを得ません。そして、統治機構の根幹が修正されています。市長が心変わりをしたと言わざるを得ません。スケールメリットやコストの観点で言えば、1つの自治体のほうが合理的であるのは明らかであります。大阪市を解体する必要はありません。

そもそも30万人が最適であるとした理由はどういうことだったのしょうか。今ここで改めて説明してほしいと思います。そして、当初の目的を失ったこの協定書に基づいて、大阪市を廃止して特別区を設置しようとするのはなぜなのでしょうか。

市長のご所見をお伺いいたします。

 

(橋下市長)

 重要な視点は今の大阪府庁、大阪市役所の体制との比較です。30万人が最適であるという一つの学説を基にですね、そういう方針で検討してきました。最終的にはこの5区の案。特別区の中には70万人の特別区も含まれていますが、一点確実にいえることは今の260万人の自治体では大きすぎるということです。今の大阪市のこの自治体と比べれば70万人の方がはるかに住民に近いマシな自治体になるということです。

ニア・イズ・ベターということですけど、今の大阪市役所の決定権、大阪市長、大阪市議会が決定権を持っているということと、少なくとも大阪市内を少なくとも5つに分けて、それぞれに選挙で選ばれた区長と選挙で選ばれた区議会を置くこと、どちらが住民に近い決定権かといえば、これは後者の方がより住民に近い決定権限であるということは明確であります。

ですから重要なことは、今の260万人、そして東淀川区、まあ旭区から南の方は平野区、東住吉区、すべてのことをこの大阪市、大阪市議会、大阪市役所で決めていくことと、それぞれの地域に決定機関を置くこと、どちらの方が住民に近いかということです。30万人、50万人、70万人、適正化の規模に関する議論はいろいろありますけど、確実にいえることは、今の260万人のこの大阪市役所の体制では住民から遠すぎて、この特別区設置、大阪都構想のほうがはるかに今の大阪市役所よりも住民近いところで物事が決められる、ニア・イズ・ベターにより近いのは大阪都構想と確信しています

 

(土岐議員)

  ちょっと、市長がおっしゃっていることがよく理解できません。それであれば、5区案から7区案にしたほうがもっと近いですよ。それを突然5区案にされているわけですから、7区、あるいは9区とか、10区案とかいろいろ検討してればいいわけですよ。それをこのいきなり5区案に絞り込まれるからこういう状況になっているわけです。

 その絞り込んだ理由というのは、コスト優先の視点になっていると、住民はそっちのけになっているということを指摘しているわけです。ニア・イズ・ベターの実現をするという視点ではないということを申し上げているわけであります。

 

 

<特別区設置の効果額について>

(土岐議員)

 次に、特別区設置の効果額についてお伺いします。松井知事は第一回統合本部会議後の会見で、毎年4000億円の統合結果を生み出すと主張されておりましたが、精査をしてみればそのような効果は出ない、純粋な統合効果は1億円しかありません。最近になって、この4000億円の数字はあくまでも目標であったと軌道修正をされています。しかしながら、市長及び維新の会は府市再編による二重行政を解消すれば、毎年4000億円の統合効果が生まれ、大阪が豊かになると宣伝してきており、市民の中にもいまだにそのような誤解が広く残っております。このように重大な誤解を多くの市民の皆さんに与えることを政治家として発言しておきながら、単なる目標だったなどというすり替えは通用しません。

この無責任な発言を撤回し、きちんと市民の皆さんにご説明して、その誤解を解くべきだと考えますが市長のご所見をお伺いいたします。

 

(橋下市長)

7区、9区の方がニア・イズ・ベターに資するではないかということですが、それはそうだと思います。ただ、制度というものは、財源、経済的なコストということも考えていかなければなりません。7区案については、行政的に財政的にシュミレーションした結果、財政運営ができないことがはっきりしましたので、バランス上、区の数と財政シュミレーションのバランス上、5区案としました。

これは大阪市政についての最大の欠点は、24区では、多すぎるということです。他都市、政令市の中で一番遅れてる、非常に遅れている自治体であることは間違いありません。人員マネジメントをやったときにですね、分析したところ、なぜ大阪市の職員が多いのか、昼間人口が多いという釈明もありますけれども、やはり横浜市と比べて決定的に区数が多い。ここは非常に遅れています。なんでこんな大阪市という大都市、日本の中でも2番目の大都市にもかかわらず、24区なんていう非効率な体制を維持しているのか。大阪市の遅れた状態をせめて標準状態に戻していく必要があるのではないでしょうか。

区の数については、いろんな議論がありますが、区の数だけではなくやはり財政上のことも勘案した上で、その区数のことを考えていかなければならない。重要なことは今の260万人体制よりも5区に分けた方が住民により近いところで行政ができる。先ほどの西田区長の答弁にもありましたとおり、今の公募区長でも様々な制約がある中で、この区長の制約をより取り除くためには、大阪市内を複数の特別区に分けていくことが最善策だと考えております。

また、松井知事が第一回目の統合本部後の会見で、毎年4,000億円の統合効果を生み出すと主張していたと。これは政治的な目標と行政の実務というところの区分けというものが、まだ地方政治ではあまりなされていないのかなと。国では当たり前のことです。今までの大阪市長が、現場で積み上げてきたものを追認するという役割が多かったのか知りませんが、僕も松井知事も首長として、必要なときには大きな方向性を出すと。

例えば、日本再興戦略、平成25年6月14日閣議決定、これは、自民党公明党の政権が出しているものですけれども、今後10年間の平均で、名目GDP成長率が3%程度、実質GDP成長率が2%程度の実現を目指す。非常に問題になった名目国民総所得GNIは、10年後には、150万円も増加することを期待。その他ですね、再興戦略では、数字がたくさん出ておりますけれども、これはまず目標です。この目標に従って、行政がいろいろ議論をしながら政策を積み上げた結果ですね、当然、この目標に達成できないものもあれば、近付くものもあれば、いろいろなものがあると思います。重要なことは4,000億円という目標を松井知事が出しましたけれども、これはいろいろな計算方法があると思いますけれども、1000億という効果が出てくるということが明らかになっております。もちろん、4000億から1000億、3000億も減ったじゃないかという意見もあれば、それでもこの号令をかけながら改革を進めていく結果ですね、毎年1000億の効果がでるじゃないか、という言い方もあります。

いずれにしても、この政治的な目標と行政の実績とは別物でありまして、もし、今のようなご指摘をされるのであればですね、この日本再興戦略の閣議決定された目標というものを実現できない場合には、全てみんなやってきたことが失敗だということにもなりかねます。大きな政治的な目標として松井知事が示した結果ですね、行政の積み上げの議論の結果ですね、行革効果としては1000億円、さらに大阪都構想については行革効果以外の効果もありますので、僕は4,000億円の効果はあながち不合理な数字ではないと考えております。

 

(土岐議員)

まったくのすり替えだと言わざるを得ません。純粋な統合効果は1億円ということは明確になっていますから、そんな効果しかないのであれば、わざわざ特別区にする必要はないのであります。いろんなことをおっしゃいましたけれども、現実よく協定書の中身を市長見ていただいてるんでしょうかねというふうに思わざるを得ません。

 

 

<一部事務組合制度について>

(土岐議員)

次に、一部事務組合制度についてお伺いします。

政令指定都市である堺市のほぼ全会計に匹敵する財政規模で6400億円、事務数も膨大な、巨大な一部事務組合ができます。

国民健康保険や水道事業は、本来は基礎自治体が各々実施する事務事業であります。自治体の規模が小さい場合など、個々の自治体が単独で事業を実施するのは非効率的だと判断した場合に協議により設置するものであります。いま大阪市として単独で実施しているのに、無理に5つの特別区に分けようとするから特別区単独では実施できず、わざわざ一部事務組合を設置することとしたにすぎません。このような一部事務組合は、非常にイレギュラーな存在で、結局、行き場のない事務を一部事務組合に寄せ集めたため、巨大になっているのではないでしょうか。

そのうえ、この一部事務組合の代表者は特別区長の互選で決めるといいますが、もちろん、5人の特別区長もその事務に関与することになるのでしょう。余計にややこしくなります。こんな複雑なしくみで、どのように意思決定をするのでしょうか。

結局、利害が相反する場面などで、誰が責任をもって決定するのか、あやふやな一部事務組合を設置することになり、特別区、一部事務組合、大阪府の三重の行政体ができます。しかも、一部事務組合の事務は、特別区長が直接判断できるしくみになっておらず、ニア・イズ・ベターになっておりません。

市民にとっては、二重行政の解消どころか、三重行政になります。これまで二重行政の解消を目指すと言ってきましたが、その目標が達成できるような協定書になっていないことをどのようにお考えでしょうか。市長のご所見を伺いします。

 

(橋下市長)

まず、三重行政になるというご指摘ですけれども、これは全くの事実誤認、誤解です。二重行政が生まれる要因は、同じような仕事をやる組織が2つあるから、二重行政になるわけです。その役割分担をきちっとやれば、その組織が2つあったとしても、それは二重に重なりません。ですから、重要なことは、仕事の役割をきちんと整理することです。大阪府と大阪市が、広域行政というものにぶつかり合うから二重行政になるわけで、一部事務組合の仕事と特別区の仕事と広域行政の仕事は役割分担できてますので、これはぶつかり合いはありません。ですから、三重行政になるというのは、単に組織が3つになるということ言っているのか、重ならないので三重ということにはなりません。

それから一部事務組合についてこの大阪市議会では様々ご指摘をいただいておりますが、おそらく一部事務組合というもの、これまでですね、大阪都構想に対しての反対意見、前市長の時までですね、大阪市は周辺の市町村と連携していけばいいんだから何も広域行政を一元化する必要ないという意見が市議会のなかでいろいろ議論されていたと思うんですけども、けれども実際には、周辺都市と大阪市、やっとゴミ焼却場で一部事務組合成立しましたが、そのほかの分野で一部事務組合あまり成立していませんのであまり一部事務組合の実態をご存知ないのかなと思います。

例えば一部事務組合で議会と執行部が対立した事案というものがあるのであればご指摘をいただきたいと思うんですね。抽象論で一部事務組合の意思決定が複雑だとか問題だという前に本当にそこでぶつかった事案があるのか、むしろ大阪市役所、大阪市議会の体制のほうがよっぽどぶつかりあって物事が進まないことがたくさんあります。これはやっぱり政治的な対立状況があるからですね、議会と執行部のほうで対立になって改革案件すすまない、ものごとがすすまないとなっていますが、一部事務組合は行政業務というものが明確化になり、そしてなにより一部事務組合の議会には政治的なある意味争いが持ち込まれません。

これは例えば広域連合見てください。関西広域連合はあれだけの自治体が加入しているにもかかわらず、いままで執行部と議会が対立したということはありません。すべて円滑に行政実務を行っております。執行部のほうもそれぞれの府県知事と政令市長が入っていますが、もちろん意見の対立はあるにせよ、最後は全会一致で物事を、これまで関西広域連合、設立からいままで、進めてきております。

また、東京の一部事務組合、それからですね、大阪でいえば巨大な事務組合としてはですね、水道企業団です。大阪市を除く42市町村で、あれは僕の知事のときに水道企業団作りましたが、それ以来水道企業団、執行部と一部事務組合の議会がもめて水道事業に影響を及ぼしたということは聞いたことがありません。

ですから一部事務組合について抽象論で意思決定の仕組みが難しいとか言う前にですね、現実の一部事務組合を見てもらうと行政組織として非常に円滑です。政治的な対立が持ち込まれません。感情的な議論にはなりません。非常に冷静な議論をしながらですね、一部事務組合っていうのは非常に円滑に行政執行ができているという現実をまず踏まえていただきたいと思います。

抽象論で一部事務組合になると住民から遠くなるということをいわれていますけれども全くそんなことはありません。それぞれ選挙で選ばれた区長、行政の長とそれから議員が集まって話し合いで物事を進めていくと、非常にこれは円滑に進んでおります。

そして、ニア・イズ・ベターから遠くなっているということをいわれますけれども一部事務組合の事務を除いた部分については、これは特別区として住民の近いところで物事が決定されるわけですから、結局この大阪都構想の議論はですね、いまの大阪府庁と大阪市役所の体制と新しい体制のどちらのほうがマシなのかという議論です。この大阪都構想の協定書についてですね、いろいろと重箱の隅をつつくようなご指摘があるかもわかりませんが、それを言い出せばですね、今の大阪府庁、大阪市役所、特にあの650億円の信託事業の失敗、こんなことをやってしまうようなこの大阪市役所の体制、これは改めないと市民に対して全く申し訳ないと思っています。

 

(土岐議員)

 いつから役人の理屈を言われるようになったんだという風に思いますけれども三重行政がないとおっしゃいますけれども市民にとってみれば間違いなく三重行政にしか見えません。明確に申し上げておきたいと思います。

市長のこれまでの答弁をお聞きいたしておりますと、協定書が本当に大阪市民のために策定されたのかどうかっていうのが甚だ疑問であります。

この協定書の作成に積極的に関与された維新の会の議員にも大都市・税財政特別委員会で委員間討議をさせていただきたいと申し入れたにもかかわらず、維新の会は各派幹事長会議において全会一致で決定された協定書の採択日である27日までの開催を拒み、広田委員長は一方的に調整を打ち切りました。本来、公正・中立であるべき委員長がなぜ開催を拒まれているのでしょうか。

我が会派といたしましては、協定書についてしっかりと議論したい旨を強く申し上げさせていただきまして質問を終わらせていただきます。


本会議 都市経済委員長報告


大阪都構想をストレートに議論したいのが大阪維新の会じゃないという意外性

一旦中断した大都市税財政特別委員会。

全内容は、テキスト化をして下記に掲載しましたが、ご覧のとおり、あまりにも酷かったので、水入りが入った。

 

 このまま、継続しても、何一つ答えられない状況が延々とつづくだけ、しかも、会派内部での見解の相違が露呈していまっていた。

どちらかというと、河崎議員が踏ん張ってた感があるが、細切れに担当を決めていたせいか、同議員と他議員との発言が180度違っていたことには驚いた。

 

 そもそも、大都市制度を論じるということは、こちらとしての構えは、大阪都構想ということだろうということで質問をすると、微妙にはぐらかされる、府市再編というキーワードを持ってくるわけだが、いやそうは言っても、大阪都でしょと突っ込むと別の議員が「東京都」をモデルに考えていますとやってしまうということ。

 

同志社大学の新川教授らで構成される橋下知事の肝いりの自治制度研究会が都区構想にノーを突きつけている手前、真正面から大阪都構想が都区構想とは言えない事情があるにせよ持ってまったいいかたは潔くない。

 

 もともと、学者なんて、わかってないんですよと、依頼しといて、なんたることかとおもったけれど、そういうトーンの橋下知事を頭にいただいているなら、それぐらいかましてくればいいのだが、河崎議員も、他の維新議員も知事ほどの傲岸さはないようだ。

 そこで、今回仕切りなおしで、代表者会をやるにはやったのだが、やはり依然として、大阪都構想を真正面に据えたものでなかったことから、少し攻めるというよりも呆れてしまった。最後には、橋下知事の参考人招致をまたぞろ。議員間討議をしようと言ったのは、維新の側だったのに、何でいきなり知事の招致?

 

 まして、橋下知事は、知事として、大阪都構想を提言をしていないし、他の条例案についてもすべて維新の会ルートなのだ。賢い人だなとつくづく思う。法的な責任は一切採らない工夫がされているとしか思えない。そんな方を、まして、10月に辞めると宣言している方を何故というのが一同の思いであった。

 

 とりあえず、今回も一度、お持ち帰りいただくことなった。いつになったら、大阪都構想の本格議論ができるのか。これじゃぁあ、反対ではないか。

 

大都市・税財政制度特別委員会

平成23810()

 

(公明 明石委員)

公明党の明石でございます。

私のほうから委員間討議につきまして、まず最初に意見表明をさせていただきたいと思います。

はじめに、今委員長からお話がありましたみたいに、大阪市にふさわしい大都市制度、これをしっかりと委員の皆さんと議論をし、将来の大阪、このビジョンに向けて着々とつくりあげていきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

先日、河崎委員から委員間討論のテーマについて趣旨説明で、大阪維新の会が称する大阪都構想、すなわち大阪市と大阪府の統合・再編を考えておられます。

大阪府自治制度研究会の最終とりまとめで示された、4つの選択肢のうち、都区制度型、特別市型、そして大阪市分割型、3つについては新川教授が先日の講演で否定的な見解を示されたこともあり、残る大阪再編型、新たな大都市制度をベースに進めるとあります。大阪維新の会は、大阪都構想をあきらめたのでしょうか。矛盾していると言われても仕方がないと思います。

また今の大阪市内の行政区、平均11万人の区に550億円の住民サービスに関わる予算が措置されてるという現状からすると、今の区が基礎自治体として独立して住民サービスに関わることは当該区役所で決めたらいいと、このように述べられました。ここで述べられている基礎自治体とは何を指すのでしょうか。

また、独立した基礎自治体であれば大阪市を解体することになりますが、そういうことなのでしょうか。

また、大阪維新の会は区に中核市並みの権限と財源を与えるべきとのスタンスなので、自ずとその住民の代表たる区長は選挙で選ぶべきであると、区長公選制を選択されております。なぜ、区長公選制を選択されたのか、これについても伺いたい。

区は中核市並みと言われておりますが、中核市ではなく中核市並みとはどういうことなのでしょうか。

そして、大阪維新の会は、現在24区そのままを独立させるということではなく、中核市並みの権限・財源にふさわしい規模に区を特別自治区として再編すると言われましたが、特別自治区になった時、大阪市は存在しているのか、また大阪都になっているのか不明確であります。大阪都を目指しているのであれば、特別区に一般市以上の役割を与えるという新しい提案であり、従来の大阪都の説明とは大きく異なっています。

現行の地方自治法は、東京都の特別区の役割を一般市以下に限定してます。中核市並みの特別区とはどのような自治体を想定しているのですか。

さらに、大阪市として統一性・一体性が求められるものについてのみ、市に権限・財源を返せばよい、といった思考方法になるのが自然であると言われました。これは大阪市が存在しているということになるのでしょうか。

テーマ「基礎自治体としての区政の充実・強化」の趣旨説明に対して、総括的に述べさせていただきました。

我が党といたしましては、大阪経済の活性化を実現すること、そしてまた住民自治を高めていくことは当然のこと、このように考えております。大阪を成長させていけるかどうかはプランの中身が重要であると、このように考えてます。大阪経済の発展が目的であるのか、それとも大阪都をつくることが目的であるのか、まずはっきりさせるべきであるとこのように思っております。以上のことを申し上げ、まずはじめの意見表明とさせていただきます。

 

(自民 北野委員)

自民党の北野でございます。よろしくお願いいたします。

私のほうからも先日の大阪維新の会、河崎委員によります議員間討論の趣旨説明に対しまして、我が会派の総括的な意見表明をさせていただきたいと思います。

今回のテーマ設定は、区政の充実強化ということでございますけれども、大阪市会始まって以来、この画期的ともいうべき議論の場であるこの議員間討論、これは新たな大都市制度の創設という観点で進めるべきだと考えております。

区政改革について論ずるならば、市政改革特別委員会という場がきちんとございます。論点のすり替えをすることなく、大阪都構想という大命題、大前提から逃げずに真正面から堂々と議論していただきたいと思います。このことは前回の委員会でもきちんと申し上げておきました。

大阪都構想、我々に言わせればこれこそがマジックワードとも言うべきもので、シングルイシューポリテクスと言われながらも、誠に不思議なことでこのシングルイシューの中身は未だに明かされておりません。

維新の会の皆さんは期限を区切って、昨年7月、9月、12月、そして年が明けて2月という風に中身を説明するとおっしゃりながら、どんどんと空手形を切り続けておられ、先日の説明を聞いておりましても、未だに大阪都構想が何なのか全く分かりません。

反論していただくために、あえて言わせていただくならば、大阪都構想は大阪市をバラバラにする大阪市廃止論であるとなぜはっきり言わないのでしょうか。再編・統合と巧みな表現を使い分けておられますけれども、つまるところ大阪府による大阪市の吸収合併ではないでしょうか。

もはやバラ色とは言えない東京都の23区をモデルとするならば、維新の会の皆さんが主張される規模にバラバラにされた政令市大阪市は、一般市よりも権限が縮小されます。それを中核市並みにという風な言い回しで切り抜けていらっしゃいますけれども、地方自治法のどこにそのようなことが明記されてるんでしょうか。

これから作ろうとされてる特別法で担保されるとういう確証があるんでしょうか。大変疑問に感じます。

もとい、なぜ大都市大阪市が今持っている幅広い自治権、この幅広い自治権を剥奪されなければならないんでしょうか。

一方で、橋下知事が首長を務めてらっしゃる大阪府下では、市町村合併が全く進んでまいりませんでした。大阪都の一員になると予想されている吹田市でも、また守口市でも最近首長選挙が行われました。大阪維新の会の候補者が勝ちましたが、大阪都構想は選挙の争点にすらならなかった。そればかりでなく、賛意さえ示されなかったという話でございます。

結局は、大阪市と堺市が合わせて10程度の自治体に分割され、府内に43ある市町村を50を超える市町村にしてしまうだけのお話ではないかと思います。

大阪都構想とは、やはり大阪市廃止論、大阪市をバラバラにすること以外は何もないと言い切れると思います。そもそもこんな話は、大阪維新の会の皆さんが大阪都構想はこういうもんだという風な形で青写真をきちんとご提示いただければ、このような不毛な議論は必要ないわけで、こんなことの議論に時間を割く必要は全くない訳であります。

ということで、議員間討論の前に我が会派の主張として、ぜひとも申し上げておきたいことがございます。

まず1つ目、広域ということなんですけれども、広域とは大阪維新の会は現在の大阪府域を指してらっしゃることが多い。この広域の圏域を想定するならば、我々としては関西を前提に議論していくべきであると考えております。このことは橋下知事が就任当初以来、使い続けておられます、中央官僚政治からの脱却だとか、地方分権の行き着く先であると思います。

府や市といった自治体同士がどっちが悪い、どっちが悪いといったような議論はあまり意味がないと考えております。むしろ国の制度が限界に来ているんです。政令指定都市制度も、全国一律の地方交付税交付金制度も、もっと言えば地方自治体の財政を圧迫している臨時財政対策債なども、全て国策の行き詰まりに起因していると思います。国の失策を地方に押し付けているだけのことでございます。

大阪府も大阪市も程度の差こそあれ、同じように苦しんでいるのは事実でございます。橋下知事は就任当時、盛んに霞ヶ関を糾弾してらっしゃいました。そして、府県は発展的な解消、もっと大きな圏域で関西州を目指すべきだという風なこともおっしゃっておられました。私たちも支持をいたしました。その方向性は正しかったと思っております。

この委員会でも将来の道州制を意識しながら、新たな大都市制度の創設に向けましてこれまで取り組んで参りましたけれども、ほとんどと言っていいほど中央政府に無視され続けて参りました。

大都市の特有の問題に対する中央政府の意識は極めて希薄、地方分権も遅々として進んでいないのが現実でございます。

その一方で地方自治体は青息吐息で行財政改革を断行し、また住民の安心安全の生活を守り、さらには大都市であるこの大阪市は、この大都市という使命をきちんと果たしながら財政再建、財政健全化基準を何とかクリアするといういばらの道を歩んでいる訳でございます。地方は国の奴隷ではありません。

以上申し上げたような前提の中で、今回の区政の充実強化というテーマで議論をする訳でございますけれども、この住民自治を強化するという方向性は間違いではありません。ただ、まずはしっかりとこの都構想について議論をするべきと考えております。

今ここで知事による集権を許してしまえば、地方政治における影響は計り知れないだけでなく、このような独裁的手法は二元代表性による、首長と議会という地方議会における民主主義の根底を揺るがしかねないからです。

ここで維新の皆さんに申し上げておきたいのですが、住民による直接民主主義だけが、住民自治だ、住民自治の実現だとする維新の会の皆さんの短絡的な主張があるが、この住民自治とは本来ですね、地域住民の政治参加の意識の高まりがあって、自分たちの住んでるまちのことを自分たちが決める、そういった仕組みが整っているということを指すのだという風に私たちは考えております。

そして、選挙で選ばれた議員はその仕組みをよりよいものにして、自治体の執行責任を最終的に担う市長を厳しくチェックできることが二元代表の持つ意義だと考えています。

個別具体の議論については、この後、時にはこのようにきっちりと言葉の定義も確認させていただきながら、議員間討論をさせていただきますが、まずは以上を持ちまして総括的な意見表明とさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

 

OSAKAみらい 山本委員)

OSAKAみらいの山本修子でございます。我が会派も一定議論に入る前の立場、あるいは意見を表明したいと思います。

先日の河崎委員のご説明、聞いておりましたら、初めて聞く言葉も多々あり、あるいはよく似た言葉が使い回しが変わっている点も多々ありということで、実りある議論をしていくためには、まずこの前段のところで細かくてもしっかりと確認をさせていただきたいなと思っておりまして、後ほどの議員間討議の中で、私のほうからはそれについて質問させていただきたいというように思っております。

そしてやはり大事なことは、今の大阪市を先ほどもおっしゃいましたけれども、市民のためにどのような大阪市をつくっていくのか、築いていくのか、そしてそれが本当に市民にとって生活を支え、また、住民の意思や要望が市政に反映されるような住民自治としてしっかりとつくられていく姿になるのか、どういう方法がいいのかということの論議が大都市問題として、しっかりと議論しなければならないといけないと思います。

それが根底になければならないと思うんですけど、先日の河崎委員のお話では、現状認識でどうも二元行政と呼ぶべき事態に陥っているという点について、これが大阪独自の問題としてあるんだというようにおっしゃっておられる点、これについては私は後ほど色々言葉を重ねながら、共通認識であろうという風にもおっしゃいましたけども、それについては今一度ですね、議論の中で明らかにしていきたいなという風に思っております。

我が会派はこの間一貫して区政改革、これを掲げて参りましたが、維新の会さんが提案されている区政の充実・発展強化ですか、これが少しやはり違っているのかなというように思っております。

住民自治というのはもとより大事な事でございます。しかしそれは同時に、この大都市大阪市の自治の拡充ということがなければ、その住民自治はいきたものにならない、そのように私は思っておりますから、車の両輪という形であげておられましたあの両輪は両輪にならないというように私は思っております。またこれも後ほどの議論の中で明らかにしていきたいと思っております。

維新の会さんのそのベースにしたいという中身が、大阪府の自治研究会ですかね、そこの最終とりまとめ、ここに書かれているような言葉がほとんど連ねていたように思いますが、その4つのパターンのうちの大阪再編型、これをベースにしたいとこのようにおっしゃってました。その中身は府市を廃止をする、そのうえで市域を基礎自治体、いくつかの基礎自治体に分割されるんでしょうね、分割しないとできませんから、そのようにされると。こういうことで、我が会派はこの大阪市を廃止・解体するというこの論はですね、どうもこれは承服できない、その必要はないんじゃないかというように思っております。

むしろ大阪市を廃止解体することによって、大阪市が今もっている、政令市という非常に不十分な制度の中ではありますけれども、そして大阪府の一部の権限を委任をされて移譲をされております。財源は移譲されておりませんけれども。

それをしっかりと、しかし執行はできるくらいの力を持ってやりきっている訳ですから、私たちはむしろ、大阪市が大都市として直接的に市民にしっかりとした行政サービスが提供できるような仕組みに変えていく必要があるというように思います。

そのことが、市民にとっての大きなプラスになるだろうというふうに思いますから、今後は、地方分権・地域主権へと流れがしっかりとしたものになる中で、全国の(指定都市)市長会の中でも提案されている「特別自治市」という提案なんです。なんか「特別自治区」というものがこの前、聞かされましたね。えらい似ているなぁと思っているんですけど、その違いも明らかにしながら、基本は、地域から大阪市を変えていくという流れを地域主権へと結び付けていく、このような方向で私たちは取り組んでいきたいという立場を明確にしておきたいと思います。以上です。

 

(共産 山中委員)

そうしましたら、日本共産党からも、見解表明というほど堅苦しいものではありませんけれども、申し上げたいと思います。

私たちも、必ずしも市民の皆さんが今の市政も含めて政治というものに、満足、納得はしておられない、それは暮らしがなかなか上向いていかないという本当に苦しさの中から、なんとかしてほしいという悲鳴もあがっている中で、区政の充実強化という一つのツールを使ってでも、地域の皆さんの暮らしの声が市政に届いていくような、そういう導きになるような議論になればと思って、まじめにいろいろと取り組ませていただきましたけど、一所懸命読ませていただければ読ませていただくほど、わからないというのが、この趣旨説明をどう読ませていただいても、わからないというのが正直な感想なんです。

例えて言うと、生クリームからアンコからスポンジから求肥から、何から何まで一緒になってほりこんで、そこに考えられるようなおいしそうなトッピングをいっぱい持ってきて、こうグチャーっとして、ほんとうは苦いものはあるんだろうに、苦いものはわざと取り除けておいて甘いものだけを入れて、さあ、おいしいだろう、甘いだろう、どうだと言われても、一体何を食べさせられたのかがよく分からないというのが、率直な見解なんです。

しかし、分からないとだけ言ってましても仕方がありませんので、なぜ分からないのかといいますと、河崎委員の先日の趣旨説明でも、例えばですね、「現在の政令指定都市及びその行政区制度のもとで、どれだけ区長・区役所に権限と財源をあたえるか」という言い方がある。その次でも、今度はね、「通常の基礎自治体の役所と共通する現状の行政区」と。現状の行政区は通常の基礎自治体ではないと思うんですけど、こういう表現がある。

そうかと思うと今度は、先ほどから出ています「各区に中核市並みの権限と財源を与える。」、それからまた、「24区そのままに独立ではなくって、中核市並みの財源、権限」と。

一体どういうものについて私たちは議論をするのか、それから大阪府自治制度研究会の最終とりまとめの結構いいところと、皆さん方の思っておられる大阪都構想とも非常に混在をしていて、まぜこぜになっていて、何がなんだかちょっとよく分からないというのが正直な感想です。

ですので、ちょっとぜひ、この際、明らかにしていただきたいことを申し上げますけれども、この提案の中でおっしゃっているものが、現在の大阪市のもとでの行政区をさしているのか、あるいは維新の会の皆さんがめざしておられる大阪市をつぶした後の、市なんだか区なんだか分かりませんけれども、そういうものをさしているのかということを明確にしていただきたいと思います。

それから、「二元行政の弊害によって二重行政がおこっている」というふうに決め付けておられて、だからそれを前提にして、大阪においてこれまでの府市の関係を抜本的にあらため広域自治体と基礎自治体の役割分担と、それぞれが担う責任を明確にする広域行政機能を一元的に純化させるとともに、大都市大阪における基礎自治機能を抜本的に充実強化するということが必要であるというふうにおっしゃっておられますけれども、これについてはこれまでもこの市議会の中で、いくつかの委員会で、二重行政というのは何なんだということだって、いろんな議論がまだ出ているわけです。

で、明確な、維新の会からね、「これが二重行政で、こうします。」というものが出ていないと思いますし、ご承知だと思いますけれども、大阪府地方制度研究会は、1995年の地方制度に関する基本調査の中で、この役割分担については、「大阪のように相互に入り組んだ活動が蓄積されてきたところでは、明確に役割分担することが困難である。むしろ有機的で分離しがたい相互の相乗り関係を前提として自治団体としての自立性と独自性をいかに発揮していけるかが問題となる。」とこういうふうに言っているわけで、明確に基礎自治体って何か、広域ってどこで線引きするのかということについても、ご説明をいただきたいと思います。

それからですね、先ほどからでています「中核市並み」という権限、権限を与えるという言い方も、それこそ上から目線だなというふうに私は思いますけれども、「中核市並み」とおっしゃってますけれども、具体的にどういうことなのか。

例えば、税目でいうと、特例としては都税とされている固定資産税、都市計画税、特別土地保有税、法人市民税、こういうものは、中核市並みの市なのか、特別区なのか知りませんけれども、そういうものに入るのか、あるいは、以前からお聞きをしていますように、そうやって分割をされたものには分けられない大阪市の財産、いろいろありますね。大学、それに高校は25校あります。それから、特別支援学校ですとか、病院、市場、美術館、博物館、中央図書館、中央体育館、プール、長居陸上競技場、天王寺動植物公園、うつぼ公園、鶴見緑地公園、いろんな集客施設、弘済院という福祉施設もあります。工業研究所、産業創造館、インテックス大阪、分けたところに分けることができないものは一体どうするのか。

私たちが今から議論をする基礎的自治体としての区というものの中に、こういうものは存在するのかしないのか、どれだけの財源があるのかないのか、そういうものが全然ない中で議論は本当に区政の充実という点に絞ってね、充実強化という点に絞ってそれを議論するということは、私はできない、どんなものについて議論をするのか分からないのに、この議論はできないと思いますので、どういうものなのかというのを、まず明確にイメージできるように示していただきたいということを申し上げます。


 

【市長との質疑】

(維新の会 吉村委員)

大阪維新の会の 吉村でございます。

市長がいらっしゃいますので、委員間討議をする前提として本市の区役所に対する認識を明らかにするため、市長にご見解を賜りたいと思います。

平成233月に市役所が作成した「なにわルネッサンス2011」の27ページには、区役所の意義について記載がございます。そこには「区役所は、大阪市役所の一部ですが、この市政改革は地域力の復興と公共の再編ということを中心的な課題としており、今後区役所が中心的な役割を担っていく」とございます。

また同じくルネッサンス26ページには、「地域住民と日常的に接し、校区等地域に最も身近な区役所が中心的な役割を果たせるよう、区役所力の強化」を図りますとあります。

そのような区役所の存在意義からすれば、現在本市で行われている基礎自治体的な事業、すなわち、住民に身近なサービスである基礎自治体的な事業については、その権限と財源を区役所に移譲すべきかと考えますけれども、この点につきまして市長のご見解をお聞かせください。

 

(平松市長)

只今、吉村委員よりご質問ございました、前回の委員会で河崎委員から総論的なお考えのご説明がございましたので、私も総論的な部分について、まず、見解を述べさせていただきたいと思っておりますし、ただ、本日はあくまでも委員の皆様による討議、これが主でございます。あくまでも私の見解というものは、この後の皆様のご討議の参考として、ご質問にお答えしたい、そのように考えております。

今のその区政、区役所の在り方ということについてのご質問でございますけれども、当選以来3年半の間、市域をくまなく歩かせていただいて、住民と会話した経験を踏まえて、区政改革を断行しております。そして、少子高齢化、或いは地域のつながりの希薄化などによる、地域社会が今、非常に深刻な状況を迎えているというのは、大阪市だけの問題でもありませんし、大都市だけの問題でもありません。

そしてこの度の大震災で明らかになりました東京一極集中の危険性と、日本の国土構造の脆弱性、今こそ様々な危機に対応できるしなやかな国土構造形成のためにも、複数の自立した広域ブロック、すなわち「道州制」を想定した多極分散型国土構造こそが必要であると言い続けております。その広域ブロックの成長エンジンとして、圏域の成長エンジンとしての大都市が、一層自立的な都市経営を行わなければならない、そのように思っています。

で、大阪市全体の役割でございますが、圏域の核として成長をけん引するとともに、雇用と生活の場を提供するという役目もございます。そのためには、経済生活とそして地域活性、これを両輪とした車を絶えず前進させていかなければならないし、それによって起こる都市の成長、その果実を住民で分かち合う、そういった流れというものが必然的にあります。

で、区役所の存在、私自身、大阪市中之島中心主義といわれておりまして、中之島からの指示を待たないと区役所が動けないというような状況が、個々、本当に住民の非常に身近なところにもあるという現実を、いくつか目の当たりにしたことによって、なお且つ、私、選挙のときからも区政改革ということを言わせていただいていたことを、しっかりと市民生活に迷惑をかけることなく前進させるための3年間を過ごさせていただいたと思っています。

吉村委員からご指摘がございました、区役所機能の充実、或いは区政改革、区役所力の強化、そして地域力の強化というものは、まさに今申し上げました、大阪市、大都市としての、圏域を引っ張るエンジンとしての大阪市を引っ張るためにも、しっかりした地域に支えられ、なお且つ、そこには大阪市域外から流入してこられる人たちの、安心安全といったものも保障しながら進めていくべきものであります。

少子高齢化がさらに進んでいく中、地域のつながりの希薄化等による地域社会の閉塞状況を打破するためにも、単に上から目線で、「区役所がこう変わればいい」ではなく、本当に地域を支えてくださっている人たちの力を、より結集する中に区役所が積極的に一緒に走ることによって、実現できる社会、こういうものを目指しております。

自治の主役は地域住民です。これは当たり前のことです。その当たり前のことを再確認して地域主権の基本に立って、多様な協働によって支えあう社会をこそ目指すべきであって、このような具体的課題に立ち向かう行動こそが地域主権実現の、私は早道やと、このように思っております。

区役所、区政元年とも言わせていただいて、区長権限、区財政の充実強化と、こういうことを言わせていただいておりますが、区民が、区の市民が主役になって、それを行政が総がかりでサポートしていく、そして誰もが安心して生き生きと暮らせる地域社会を築き上げていく区政の展開を目指しております。そのための必要な権限、予算を拡充しているところであり、今後もそれをさらに拡充していきたい。

空疎な制度論に時間を費やしている暇はないというのが、私の認識でございまして、実際に我々は走り始めているということを是非、しっかり皆さんの目で見ていただきたい、このように思っております。以上でございます。

 

(維新の会 吉村委員)

資料配布の許可をお願いします。

  - 資料配布 -

お手元に配付いたしました資料は、平成232月大阪市市民局が作成した、24区に係る平成23年度予算の概要についてという書類でございます。

行政区別の予算額、1兆3340億円、それから区役所編成予算額52億1219万円という記載がございます。で、2枚目の資料、この資料1、23年度行政区別予算でございますけれども、この歳出の1兆3340億円の各区ごとの内訳が記載されております。資料2、2ページ目でございますが、これについては23年度区役所編成予算の概要、その内訳が記載されております。そして3つ目の資料でございますが、これは資料1、1兆3340億円の記載の根拠、それから52億円、これの根拠の内訳を示したものでございます。表の一番右下、これが1兆3340億円ということになっております。区役所予算は52億円となっております。これは、全て基礎自治体的な事業ということで整理されてございます。以上を前提にご質問いたします。

この23年2月市民局作成、24区に係る平成23年度予算の概要についてによれば、行政区別予算額は1兆3340億円であり、この予算は区役所予算に局が効率的な観点から実施している区民にとって身近な行政サービスの予算を合わせた予算額と記載がございます。この市民局に1兆3340億円の項目の内訳を確認いたしましたところ、いただきました資料が、この先ほどお配りしました資料の3、そしてそれ以外にも詳細な資料がございました。ここには基礎自治体的な事業との記載がございます。すなわち本市では、基礎自治体的な事業の予算が1兆3340億円あるところ、現在の区が地域の特性や実情に応じて実施する事業予算が24区合計で19億4201万円、区役所所管施設の管理経費が32億7018万円、つまり区役所編成予算は合計で52億1219万円しかなく、基礎自治体的な事業の予算に対する区役所編成予算の割合は、0.4%しかございません。たったの0.4%でございます。99.6%は本庁中之島に温存されている状況でございます。

市長は先ほどの答弁でもおっしゃいましたけれども、なにわルネッサンスで力強く言われていた区役所力の強化のため、この0.4%の区役所編成予算を、0.4%から何%位までに増やすつもりがあるのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。

 

(平松市長)

お答えいたします。

数値目標として何%までにと私は今ここで言えませんが、委員がご指摘になっている区役所予算、この区が単独で使える30数億円というお話がございましたけれども、実は維新の会の皆さんが、当初からこの比較をしょっちゅう口にされます。同程度の規模の自治体の総予算はこれだけ、しかし大阪市は区の予算はこれだけしか使っていないと、まあ、いまおっしゃった30数億割る、恐らく24と平準化するとそういう形になるんでしょう。

ところが実際には、この他にも逆に大阪市全域として考えたときに、必要な様々な予算というものがあるわけです。それを今、委員が、例えば、先ほど、先日河崎委員がおっしゃったように、平準化すると550億円とかいう数字だったと思いますが、それというのは、要は大阪市が24区バラバラになるということを前提とした議論なのかどうかというのが、私には今一つわかりません。

大阪市は確かに区役所所管施設の維持管理費32億ほか、24区合計で52億という予算を出しておりますが、このうち区役所単独でコントロールできるのが少なすぎる、しかし、その区の中の住民インフラであるとか様々なものには、しっかりとした予算が使われているということでございます。ただ、私が目指しているものは、数字ではお示しできませんが、これからしっかりとその区で本当に必要な事業というものを市民の皆さんにしっかりと話し合っていただいたうえで、区長の判断のもとに執行できるような体制を徐々に築いていっている、今、既に築きつつあり将来的にはそれを拡大しようという動きでございます。

 

(維新の会 吉村委員)

「広域行政体と基礎自治体を明確に分けて、その役割分担を明確にする。」「基礎自治体が担うべき住民に身近なサービスについては基礎自治体として特別区が責任を持って行う。」「そのために特別区に基礎自治体としての権限、財源を持たせる。」「区民の民意を反映させるために区長は選挙で選ぶ。」というのが橋下府知事の考え方であります。

これは基礎自治体としての事業は区が予算権限を持って責任を持って行う。もちろん、その事業内容は、本市が基礎自治体的な事業として整理されたものとはイコールではないのかも知れませんけれども、基本的な考え方は、現在大阪市役所に局ごとに偏った基礎自治体的な事業の予算を特別区に付与して住民自治を実現するという考え方でございます。

かたや市長は、現在の大阪市役所の枠内で住民自治が実現できるとお考えかと思います。

ここに住民自治の実現方法として区役所の権限、財源について考え方に根本的な違いがあり、この点は市民も府民も非常に関心を持っている重要事項でございますので、大阪府知事と市長とで討論してもらい、どちらが住民自治の実現方法としてふさわしいか、議論してほしいのですが、この点、大阪府知事から区役所の権限、財源、あり方について議論の申し入れがあった場合、市長は受け入れられますでしょうか。

 

(平松市長)

お答えいたします。

そのために、大阪市会議員として選ばれた皆様が、具体的なテーマを出して、この市が潰れていいのかどうか、潰れることによって、或いはバラバラにされることによって、どれだけ市民にプラスがあるのか、いや、マイナスの方が多いのか、それを真摯にご議論いただかないと皆様を選んでくださった市民の方に対する裏切り行為にもなるんではないでしょうか。

私は役所の枠内で改革を進めていると一方的に決めつけられています。

私は今までの役所にはなかった改革を懸命にこの3年半、皆さんにとっては遅々とした歩みに映ったかもしれませんが、確実に畳の目一歩でも前に出るんだという覚悟で、進めてまいっております。その覚悟は、いささかも変わることはございませんし、私の通ってきた道をしっかりとトレースすることもできます。

その場その場、その日その日によってあっちへ飛んだりこっちへ飛んだり、自分の着地点すらわからない方たちとは違う道を歩ませていただいているということを強調させていただきます。

橋下知事として、大阪都構想の具体像を、逐一明らかにされたのであれば、府議会でしっかりとご説明をいただきます。そして大阪都、今は吉村委員は特別区っておっしゃいました。私は特別区っていう言葉が出るまでは、都構想の話もする、この場ではないだろうと、前回、河崎委員から、ご質問がありました部分についてお話だけすればいいのかなと思ったら、特別区について知事と市長が公の席で話し合えと、つまり大阪都構想について話し合えとおっしゃっておられるんであれば、是非具体的な大阪都の姿を、市民、各区のお住まいの皆さん、今いろいろな大阪市が市政をやっている市民サービスにどういった影響が出るのか、何もかもできるという風に統一地方選ではおっしゃっていましたが、何もかも今のままできる、その上で財源は奪っていく、そういうことをしっかりお示しになって、この場で議論をなさるための場だと思います。

私は今日はこの場で議論をする主体ではございませんので、意見を述べろと言われたことに対して意見を述べさせていただきました。

委員長、少し時間が延びましたことを申し訳ないと思うと同時に、本来、私の与えられている役割を逸脱した部分がございましたら、是非ご容赦をいただきたいと存じます。

よろしくお願いします。

 

(維新の会 吉村委員)

ありがとうございました。以上で質問を終わらせていただきます。

 


 

【委員間討議】

(漆原委員長)

それでは委員間討議に入ります。本日のテーマ「基礎的自治体としての区政の充実・強化」に関して、質疑なり意見がありましたら、挙手いただきたいうえ、私の指名によりご発言ください。

 

(公明 明石委員)

公明党の明石でございます。まず、今「特別区」という言葉が出ましたので、ちょっと私もビックリしておりますが、議論をさせていただくその前に確認、先ほどもお話させていただいたとおり、大阪都を作る、これを目的として取り組まれておられるのかどうか。そして、この大阪都を前提に議論をしていきましょという解釈でいいのか。まず、この点をお伺いしたいと思います。

 

(維新の会 河崎委員)

我々の主張は、大阪府域において広域行政機能を作り直す。で、今の大阪市域を、堺市もそうなんですけども、政令市域の中で住民自治充実のため、新たな制度を作り直すというのが、我々の主張なんですね。大阪市・大阪府を統合して再編しましょうということなので、それをめざして議論ができれば、我々も本当にありがたいところなんですけども、先ほど、共産党の山中委員からもご指摘ありました、この「区」というのが、「行政区」なのか「特別区」なのか、どっちやねんということがあると思うので、これは個々の議論の中で、これは現行制度の中での話なのか、我々が希望している新たな特別区、あるべき姿での議論なのかというのを整理しながら、議論を進めればいいなと思っています。

 

(公明 明石委員)

今のはよくわからないんですけど、言うてる意味がね。立つ位置がどこなんかということがはっきりしないと、大阪都ということを、新しい自治制度を設ける、今この中には、最初の趣旨説明の中では、大阪都、これを我々はめざしてる。でも4つの大阪府自治制度(研究会)では、都区制度はつぶれました。だから大阪再編ということを考えています。でもその後に、「特別自治区」ということもできますし、「特別自治区」といいましたら一般的には、これは新たな制度で、大阪都を作るという考え方も取れます、一般的には。

だから、その立つ位置を明確にしてもらわないと、議論前提条件が、どういうことで私たちは考えてるから、この中で考えてくださいということでなければね、議論が進まない、このように思うんです。その点をはっきりと、言うていただいた方がね、議論の進み具合がスムーズにいく、こういう無駄な時間がなくてすむんではないですか。

その点をはっきりと私はお聞きしているだけなんで、もう一度お願いします。

 

(維新の会 河崎委員)

ご趣旨はですね、我々が標榜する大阪都が、東京都制度そのものなのか、ということだと思うんですけれども、我々はそうじゃないといっています。都区制度そのものを作り上げるとは言っておりません。大阪府域で広域行政と基礎自治の機能を分ける新しい仕組みを作りましょうと。

ただですね、東京都制度というのは我が国で、広域行政の都、いわゆる東京都と、基礎自治体機能がある東京23区、現行制度上、制度が存在している、運用もされている制度なので、それは我々、大いに参考にはしております。ただし、東京都制度にも問題があるとの認識を持っております。特別区に自治権能が与えられていないんじゃないかとか、財政調整についても問題があるんじゃないかとか、いろんな問題がありますから、繰り返しますけども、大阪都構想、大阪都ということが東京都と同じ制度ということではございません。ただ、新しい、それこそ大阪府と大阪市を統合再編する新しい仕組みを作りましょうということです。

都構想の概念そのものを争っても、それが不毛な議論といわれても、それでおしまいなんですけども。

 

(自民 川嶋委員)

分かりにくかったんですけども、府市を再編するということは、要は広域と基礎と分けるということで、モデルにしているということやけど、要は、大阪市という基礎自治体、今は政令指定都市である基礎自治体の機能は、いくつかは要は、広域自治体にもっていかれるということですよね。で、その中で、基礎自治体を分けるということなんで、どっちにしても財政調整制度とか、いろんなもので言うたら、ほぼ、中身は別にしても、ほぼ東京都と同じ制度に考えてはるんじゃないんですか。

どう聞いても、そうにしかとれん。この間の説明を聞いていても、特別自治区とか出てくるなかで、上手に言葉は使っておられたので、非常に理解するのに時間がかかったんですけれども、イメージとしてその辺をはっきりしないと、議論が進まないんですけれども。いかがなんですか。

 

(自民 川嶋委員)

いや、もしその、本当に大阪市を中核市にするだけやったら、当然、政令市が持っているいろんな権限を府に行くことになりますんで、そういうことなんかなと単純に理解できるし、その上で中核市として持っていきましたと、政令市の権限、中核市と政令市の間にある権限を都にもっていきましたと。で、中核市並みになったけど、あと分ける。こういう理解でもないように感じるんですね。だからこそ、その辺を、きちっと、広域とか基礎とか具体的に広域とはこんなんで、とか、基礎とはこんなんで、とか、もしあれば、逆に言いながら、イメージを付けていただきながら、その中で、先ほど、山中先生もおっしゃったような財政調整じゃないけれども、固定資産税を持っていくのか、実際に広域やるっていったって、税源なかったらできないんで、どっから持ってくるのという話が必ず出てくるんで、さっきの住民自治の話で、明らかに、割ったら550億ありますいうけれども、そやなくて、どんだけもって行くかという話が全然抜けているので、その辺も含めて、ほぼ東京都の制度に似ているのではないんですかと、それが前提だったらまだ話が僕らもできるんですけど。

 

(維新の会 飯田委員)

モデルとしましては、まさに東京都制度をイメージしていただいて結構かと思っております。二層制の広域行政体と基礎自治体に分割していく、分けていくという議論なんですけども、具体的な事業は、今、川嶋委員おっしゃっていた通りなんですけれども、具体的な事業についてはまた、ご質問いただければと思います。

 

OSAKAみらい 奥野委員)

今の話もよく分からないんで、分からないやつを順番に聞いていきたいと思います。一番初めにもらった、「基礎的自治体としての区政の充実・強化」ということでもらったんですね。今よく使われている「基礎自治体」との違いは、どういうふうな違いなのか。これを教えてください。

一つだけ聞いても時間がかかるので、もう一つだけ教えてください。

この間の趣旨説明の中で、「政令指定都市制度そのものに多くの学者・有識者から数々の問題点が指摘している中で、大阪独自の問題として二元行政というべき事態に陥っている。」と、こういうことを言うてはったんやね。

今の政令指定都市制度をどんな学者がどんな問題点を指摘しているかということと、それと大阪独自の問題というけど、どうもここで言うてる二元行政というのは、当然身近で言うと京都府と京都市とかありますよね。というのとどない違うのと。これは大阪だけの問題なのかと。その二点だけ明確に答えてくれませんか。

そうでないとね、さっきも皆さんが気になってるのはね、言葉がどういうイメージで言うてはるのか、よう分からへんねん。共通の言葉になってないんですよ。だから議論にならない。だからそこをはっきりしていかないと、本当に議論が組み立てられない。

議論が組み立てられないということは、本当にあるべき都市制度そのものを、本当に真摯に磨き上げていくということにならない。だから、そこははっきりしてくださいよ。とりあえず、その二点。

 

(維新の会 河崎委員)

まず、政令市問題どんな指摘があるかということなんですけれども。個別の有識者・学者のお名前が、ちょっと今、羅列することはできませんが、まず、一般的に言われていることは、政令市制度が妥協の産物であったということ。特別市制度の運動があって、都道府県の反対があってできた制度だと。

それでまず、妥協の産物イコール問題が内在するってことが容易に想像できるんですが、一つは政令市制度、人口要件で一律で決まるってことが問題だと思っています。

もう一つはですね、政令市は今、数十万から横浜市で言ったら360万人ですか、人が多いです。単純に人が多い。今の政令市当たり前ですけれども、市役所に権限・財源が集中していて、住民から役所へ距離が遠すぎる。逆に選挙で選ばれた唯一の市長から、市長から住民の距離が、遠すぎるということが問題であると考えています。

あと二元行政の話ですけれども。大阪特有の問題で二元行政、自治制度研究会でも指摘がされているところですけれども、これまでの歴史で、結果、政令市制度の大阪が、運用面でいわば特別市的に運用されてきたという言及がございます。

この狭い大阪府域の中でですね、さらに大阪市が都道府県並みに独立されてきたということが、キャッチフレーズ的に言うと二つの大阪があるということですね。それが大阪が二元行政と言われているということだと認識しています。

 

OSAKAみらい 奥野委員)

今の話は結局、その中の話で言うと、市長と地域住民が遠いという問題意識を持っているというのは、今の話でよくわかりました。そのことイコール政令指定都市問題やと短絡すると、これはもう間違いになると思います。というのは、政令指定都市をより高めていくことが、住民の幸せにもつながるよということにならないと、そういう運動をこれまでもやってきたし、これからもそうしようという、我々の態度表明ですね。

それと前段でも話があったように、本来であれば府にもやっていただかないといけないような業務も基礎自治体機能として、しっかりがんばってきたと、財源はその分だけちゃんともらえてないと、それをもらう運動をわれわれやりましょうと、そうすることによって、住民のサービスが向上すると、そういう政令指定都市の矛盾をどう解決するかというと、我々はそういう解決の方法を求めてたと思うし、これからもそういう解決の方法をしていきたいと思っています。

そういう矛盾があるから壊したらいいやないかと、これまさに大阪市解体しようというものにつながるのではないかと思うのですが、どうですか。

 

(維新の会 河崎委員)

おっしゃっていることは、今の政令市制度を強化しようという、よく指定都市会議で言われる「特別自治市」という構想ですかね、それに近いという認識ですかね。

 

OSAKAみらい 奥野委員)

はい、そうですね。それと、確かにね、政令指定都市がどんどん数が増えているという問題ね。そういう指摘は、ある意味であたっていると思います。ただ、政令指定都市をどんどん作っていけばいいという問題ではない。それはあくまでも都市に住む、あるいは仕事をする、あるいは事業をする人たちにとってどうなのかというところから、その見直しは図っていくべきであると思います。

ですから、今の政令指定都市がすべてよかって、という意味では無しに、むしろ欠点というかそういうものは、大阪市的に言うと、大阪に住む、そこから選出された議員とすれば、むしろ今、足らないところをしっかりとする、ブラッシュアップすることが我々の、僕の姿勢だということだけ表明しておきたいと思います。

その前に、「基礎的自治体」と「基礎自治体」の返答をもらっていない。

 

(維新の会 河崎委員)

基礎自治体というのは、基礎自治体を定義せよということですか。

 

OSAKAみらい 奥野委員)

あなたが、大阪都構想を標榜し、やろうとしている人達にとって、その言葉というのはどういう意味を持っているんですかというのを、確かめておきたい。的と基礎自治体というので大違いなんです。

 

(維新の会 河崎委員)

基礎自治体的な、例えばサービスとか、基礎自治体的なという、区別をせよということですか。

 

OSAKAみらい 奥野委員)

あなたたちが提案しているから、わからんから聞いてるんですよ。

基礎的自治体としての区政充実・強化といっているから、これは基礎自治体とは違うのかなあと。だから違いはどうなんですかと聞いているんです。

 

(維新の会 河崎委員)

基礎自治体として認識していただければ。

 

OSAKAみらい 山本委員)

ちょっと確認。関連して。政令指定都市の問題を今言われたんですね。他の政令市についても言われましたね。ということはこれは大阪市だけの問題じゃないですね、ひとつ。それと、みなさんは、さきほどの問題が非常に大きな問題だから政令市はやっぱり否定される、そういうご意見ですか。

 

(維新の会 河崎委員)

全国すべての政令指定都市を廃止せよとは申し上げておりません。ただ、地域地域に見合った制度があるべきではないかという大きな問題意識は持っています。

 

OSAKAみらい 奥野委員)

そのときに、現在の営々と営んできた政令指定都市というのは、まず、前提に否定することから進めるんですか。ここ聞いとこ。

現在の大阪市も政令指定都市のひとつ、ひとつというか、歴史でいうたら三大都市からはじまって、五大都市からやっぱり、政令指定都市のなかでも大都市機能をずっと培ってきた都市である。

われわれは、どうも聞いておったら、その大阪市と府といま堺市くらいを言うてるけど、それ以外は関係なしに、とにかく、大阪市の大都市機能と基礎的自治体的機能をわけて、分けた分を府といっしょにしますといっているからね。

ほんなら、大阪市の大都市機能の分を大阪府にもっていくだけちゃうんか。分割とか分離とか言う言葉がでてたけど、まさに分割分離することをいうてはるな、それでいいんですかということを聞いているんです。まず、これを答えてください。

 

(維新の会 河崎委員)

広域機能を一元化するということでわからないですか、

 

OSAKAみらい 奥野委員)

わからない、なぜわからないか。大阪市が、事業なり運営をしているなかであなたも使っているように基礎的自治体の要素と、広域という言葉を使ってるねんね、ぼくは広域って言葉を使うと大阪市以外の広域も入るので、大阪市の持つ大都市機能という言い方に、僕が分かりやすいつもりで変えて、ここを分けて、大都市機能、あなたたちがここでいう広域の機能部分を府とがっちゃんして、とこういうてはるんやと思う、そうでしょ。

 

(維新の会 河崎委員)

はいそうです、

 

OSAKAみらい 奥野委員)

それやったらいま大阪市がもっている機能を分ける、とるということやろ、あとは、なんぼかに基礎自治体に分けるいうから、まさに分離分割やと思うけど違う?

 

(自民 柳本委員)

すみません、私答弁する立場じゃないですけども、同様の認識を持ちながら冒頭の認識論から入らさせていただきたいと思う。

ちょっと政令指定都市の話からそれるかもしれんけどお許しをいただきたい。

冒頭、区政の充実強化という申出をうけて各会派から意見表明をさせていただいたところです。それぞれの会派が言ってたなかで初めに押さえとかないけないのは前回の趣旨説明の際におっしゃって頂いたいろいろな言葉が、あらたな言葉が出てきたということがありました。

「特別自治区」であるとか「自治区」であるとか、「地域自治区」であるとかそういうものなんですが、そういったものを維新の会の皆様方はいま現在の大阪市があるという前提でお話をされているのか、もしくは、冒頭おっしゃった、東京の都区制度に毛の生えたような新しい大都市制度を実現したとするという前提のもとで、このような言葉を使われているのかどちらでしょうか。

 

(維新の会 田辺委員)

大阪維新の会、田辺でございます。

さきほど柳本委員の前の大阪市の広域の権能をとるという意味ではなし、府がもってる広域機能と再編するということでありまして、そのときは、大阪府と大阪市を再編するにあたって、市がなくなって府だけ残るというイメージではございません。

もうひとつ、大阪市が再編された場合、いまの自治体としての大阪市については、新しい形に生まれ変わっている可能性が高いということはいえる。

 

(自民 柳本委員)

今回ご提示いただいた「特別自治区」というものについては、新しい大都市制度のもとでの語句であるという認識でよろしいでしょうか、そのときに大阪市はあるんでしょうか、なくなっているんでしょうか

 

(維新の会 吉村委員)

前段の部分ですけれども、「特別自治区」は新しい制度、新しい地方公共団体という認識でございます。

後段の部分、大阪市がこのままの状態で残るかっていう、その質問の趣旨も若干わかりにくいんですが、いわゆる広域と基礎にわけて、今のままの大阪市は再編しますので、今とまったく同じ現状の大阪市は残らないというふうに考えています。

 

(自民 柳本委員)

それでは、大阪市はなくなると、廃止されるといいふうに認識させていただきます。それでは「特別区」ではなく、「特別自治区」とはなんでしょうか

 

(維新の会 吉村委員)

まずは、ご質問された大阪市の定義というか、柳本委員のおっしゃる大阪市の意味について教えていただきたいのが一点でございまして。

 

(自民 柳本委員)

私、質問させていただいているのでそれに答えていただきたいのですが、逆質問いただいたんで、あんまり答えだすと、いつも、代表の得意技でして、論点のすり替えなんです。

いつも質問した問いに答えずに逆質問されて、違う方向にいってしまって、のめりこむんですが、はじめだけなんで、特別に私の認識を答えさせていただいたうえでもういっぺん聞きます。

大阪市っていうのは政令市であり、基礎自治体であるというふうに認識しております。

そのうえで、「特別区」ではなく、「特別自治区」とはどういったことでしょうか

 

(維新の会 吉村委員)

まず、政令市としての大阪市は再編後は存在しないというふうに考えております。

 

(自民 柳本委員)

「特別区」はまだ都区制度を考えればイメージがわくんですが、「特別自治区」という表現を使われたので、「特別自治区」とはなんでしょうか?

 

(自民 柳本委員)

同じことですか。

 

(維新の会 吉村委員)

はい。権限というものは違いますが、同じ地方公共団体というふうに認識しております。

 

(自民 柳本委員)

すなわち、おっしゃってる認識からしますと、大阪市という基礎自治体のなかに新たな基礎自治体を作るということは考えられないということになりますので、おっしゃっている「特別区」、ないし、そこから毛の生えた「特別自治区」というものは大阪市内にいくつかの自治体が新たにできるという認識でよろしいでしょうか。

 

(維新の会 吉村委員)

その認識でけっこうでございます。

 

(自民 柳本委員)

ということは大阪市がバラバラになるということですね。

 

(維新の会 吉村委員)

再編するということでございます。

 

(自民 柳本委員)

再編、バラバラということでよろしいですか。

 

(維新の会 吉村委員)

大阪市の再編をバラバラと評価されるんならが、それはバラバラという表現になるかと思います。それは表現だけの問題かなと認識しています。

 

(自民 柳本委員)

私たち自民党は冒頭に北野委員からお話させていただきましたけども、それを大阪市をバラバラにするというふうに、認識をさせていただけるという考えのもと、いまおっしゃっている維新の会が求める新たな大都市制度というものは大阪市廃止論であり、大阪市をバラバラにするものであるというふうに定義づけをまず、この場でさせていただきます。

 

OSAKAみらい 山本委員)

いま、新しい「特別自治区」になると大阪市は政令市でなくなるとこのようにおっしゃいましたね。

確かに政令市はいろんな経過のなかで大都市としての十分な権限・財源は移譲されていないがために不十分さがあるという問題点はあるんですけれども、利点もあるんですね。だからいろんな市が、いま政令市になろうという形で手を挙げている。

その利点をご存知でしょうか、ご存知でしたら言ってください。

 

OSAKAみらい 山本委員)

ご存知ない。やはり、知っといていただきたいんですね。大阪市が戦前から特別市を主張して、そして、この歴史のある、そして、中央に位置するなかでこの市域を築いてきた。

そして、その力をさらに発揮し、それを市民に還元していくために、どうしても、府に包括されるような、そして、国や府県に二重に監督、指導されるような位置づけでは十分な力を発揮できないということで、この間いろんな議論がされてきたということはご存知だと思うのですけれども、指定都市にとって有利なのは、ひとつは、府県を介さずに直接国と交渉できる、そういうことなんですね。

だから、今の大阪市も府県を介さずに直接に国と交渉する、つまり、府県の監督、指導、一般市だったら全部、許認可がいるんですよ。そういうことが政令市の場合は一定権限が与えられていて、国と直接交渉はできるんですが、その権限がなくなるいうことですね

 

(維新の会 河崎委員)

なくなります

 

OSAKAみらい 山本委員)

そういうことですね。そうすると大阪市民がこの市域のなかでいろんな事業、あるいは公共の建物なり、整備をしてほしいといったときは、国の許認可がまだいるものがたくさんありますから、いま、それは地方分権のなかで少しずつ返してもらってきていますけれども、逆にそれをまた、縛る、ということで、地方分権の流れに逆行するじゃありませんか、地方分権否定ですね。

 

(維新の会 田辺委員)

地方分権を否定しているものではありません。

端的にいいますと、確かに政令市、きわめて権限が移譲されているところでありますけれども、その権限の集中、要はスケールメリットがあるようなところと、基礎自治体、住民に身近なサービス、この規模を問うているわけでありまして、基礎自治体として、266万人が、統一、均一化された住民サービスでいいのか、いや、もう少し規模の小さな基礎自治体にすべきなのか、そして、広域はどの規模が最適なのか、こういったところを議論したいというのがわれわれ大阪維新の会の考えであります。

 

(自民 柳本議員)

基礎自治体にわけるのであれば、わかりやすいのは分市論だと思うのですが、そうではなく、都区制度というのはなぜなんでしょうか。

 

(維新の会 河崎委員)

分市論は去年、大阪維新でもなかで検討して、表にも出た話なんですけども、われわれ一番、財政調整の問題に課題があると思っていまして、特に、いまでいう北区とか中央区、突出した黒字部分の税収をどう分けるか、というのが分市ではすぐには解決できないということで、都区制度を参考に、あるべき制度を研究しているところでございます。

 

(公明 山田委員)

公明の山田でございます。いま財政調整の話がちょっとでてきたんですけども、分市論では財政調整ができにくい。よって都構想、東京都方式をまねると、まねるかどうかは別として、これをするというお話がございましたけれども、今回の論点のひとつである、区長権限、区の財政の充実と強化ということで各区に中核市なみの権限と財源を与えるべきであると、こういうふうにおっしゃってますけども、分けるんであれば財源をどうするのかというのは基本になってくると思うんです。

各区の間で税収格差があるということは、みなさん共通のご認識だと思うんですけど、前回の委員会でも、河崎委員のほうから各区、550億平均という話がありまして、当然ながら各区には差があります。たとえば、みなさん、資料をお持ちになっているかと思いますが、私の地元の生野区を例にすると、市税収入が160億円、予算が781億円使われています。

市税に対する歳出の割合は4.9倍になっとりまして、24区中2番目に高いわけなんです。高齢化もすすんでおりまして、中央区の0.24倍とはだいぶ違いまして、かなりの格差があるというこういう状況で、どういう基礎自治体になるのか、いまの段階では明確になってはおりませんけれども、非常に格差を心配しているわけであります。

いま、大阪市が一体となって24区の格差を是正しているという状況になるんですけども、将来的に市民の皆様にうちの区はどうなるかという率直なご意見もあるかと思いますので、わかりやすく、都区制度、今回の都構想で財政調整制度をどのようにされるのかをご説明いだけないでしょうか。

 

(維新の会 飯田委員)

財政調整に関しましては、詳細な試算というのは理事者のご協力を得られていないというのが現状でございまして、正確なものに関しましては、きちっとわれわれで執行権をとった後に、きちっと試算をさせていただくというのが、いま、お話できることでございます。以上です。

 

(維新の会 田辺委員)

今の点、補足いたしますと、現状、大阪市全域で税収があり、収入があり、そして、支出、住民サービスがまわっているということは、市役所のなかで各区ごとに財政調整が実際はできているということでありますから、基本的に今のままで仕組みを、行政改革等を進めていって、細かい計画はまだできておりませんけれども、各区ごとの財政調整は可能であると考えております。

 

(公明 山田委員)

こまかいところまではまだできていないということをおっしゃられまして、昨年1012日、財政総務委員会、私まだ議員でも候補でもなかったんです。このとき、私の生野区の前・河本議員が維新の会のみなさんにどんな財政調整の方法をお持ちなのかとここで聞きはったわけなんですけども、維新のほうから、もうちょっとお待ちくださいというお答えがありまして、私も、議会の委員会のインターネット放送を見ながら、いつなんかなっておもいながら選挙戦に入って、そっから、10ヶ月たっております。理事者のほうからも、なかなか協力を得れてないというお話もございましたけれども、もうそろそろ当然案ができてるんじゃないかと思っておりますが、何らかの形でありますでしょうか。

 

(維新の会 飯田委員)

もうしばらくお待ちいただければと思っております。

 

(自民 北野委員)

今、大前提として、基礎自治体である、また政令市である大阪市が解体されるというのが前提であるとお認めになった直後で、なぜ、今度基礎自治体になるか知らないですけれども、「特別区」か「特別自治区」か知りませんけれども、そこの財政調整を市の役人がしないといけないのでしょうか。

理屈がわかりませんのでご説明をお願いいたします。

 

(維新の会 飯田委員)

まず、なぜ大阪市の皆様にやっていただく必要があるかというと、まさに大阪市の現行のシステム、まさに大都市のあり方だと思うんですけれども、現状の制度に対して我々としては大変疑問に持っていると。

それは河崎委員が提起させていただいた通りなんですけれども、その選ぶシステムの大都市の有り様として、大阪都構想について本年の選挙、秋の選挙がございますので、このときまでにきちっと争点にさせていただいて、その上で、ということですよね。

 

(自民 北野委員)

今、秋とおっしゃいましたが、恐らく「あれ」のことやと思うんですけれども、それまでにきちっと財政調整の仕組みを、維新の皆さん独自でお考えになるということをご提示いただけるものと考えてよろしいんでしょうか、どうなんでしょうか、お答え下さい。

 

(維新の会 吉村委員)

財政調整の詳細については、いわゆる「あれ」までに提示することはできないと思います。

 

(自民 北野委員)

できない。それを民意を問うという形で「あれ」に打って出られるというやり方は、お得意な代表のやり方だと思いますけれども、それはまるで行き先のわからない切符を持たせて泥舟に乗せるあのやり方であると思うんですけれども。

ちょっとスイッチ入ってしまいまして申し訳ないんですけれども。

委員間討論なので許されるということですが、それでしたら、その財政調整の仕組みもわからない基礎的自治体に分けるということで、論点をそこに絞っていかれるということは明確になりましたが、財政調整の仕組みが出ないという風なことを大前提にして今後進んでいかれるということも確認しておきたいと思いますが、本当にそうなんでしょうか。それで良いと思っていらっしゃるんでしょうか、ご認識をお聞かせ下さい。

 

(維新の会 吉村委員)

まず私が申し上げているタイムスケジュールを申し上げますと、まず「あれ」の前に、財政調整の詳細な提案をすることはできません。

それは先ほど、飯田委員からもご説明ありました通り、理事者の方々のご協力がない限りは、財政調整の詳細な設計は難しいと考えております。

そして、その上で、「あれ」の後にもし、現在の市長は、まあ都構想に反対の立場ですが、都構想に賛成の方が仮に市長になったとするならば、そして理事者の協力を得られたとするならば、その段階で財政調整の詳細についてはご提示申し上げます。

そして財政調整の詳細設計、区割りも含めてそうですけれども、それが案として出来上がった段階では、その前に住民投票、その後ですね、その後に住民投票することを考えております。

ですので、市民に対する愚弄であるというなら、市民が選挙に投票するのも、それがないという前提での選挙になるので、それを含めて判断いただくということになる。

 

(自民 柳本委員)

ただね、財政調整の方法を明示するのは恐らく確かに難しいかもわかりません。

ただ、市の役所の方が例えば都構想に賛同する首長が誕生して総動員したとしても、市の職員で、あるいは府の職員であったとしても、市と府の職員を総動員したとしても、それを確定できる財政調整制度というのは、その時点でも恐らく出てこないと思う。

何故かというと、そこにやはり国の関与があったり、制度についての国での法令の確定があったりしますので、恐らく難しいと思うんです。

ですから、秋までに提示をしていただくべきことは、例えばこういう形のスキームでこんな形になると、個別具体はなかなか難しいかと思いますけれども、最低限そのあたり出していただかないと、都構想に賛成なのか反対なのか、その結果として住民生活がどうなるかもわからないような状態で、住民にイエスかノーを求めるのは政治家としていかがかと思うが、その点に関しての認識はどうでしょうか。

 

(維新の会 吉村委員)

どの程度まで具体的な中身が提示できるかというのは、これは当然、会派の中で確定していくことでございまして、私がここで断言することはできませんけれども、当然「あれ」の前までにできるだけ詳しくできることは詳しくして、そしてそれを提案したい。

その中身についてどうですかというのであれば、この場では申し上げることはできないとしか言いようがありません。

 

(共産 北山委員)

ずっと縷々議論をお聞きしていますと、まさに都構想の問題に集約されていっていると思うんですがね。

そうしますと、もともと維新が提起してきた今回の区政の充実強化ということで、先ほど市長とのやり取りでありましたけれども、13340億円のうち、区は52億円で0.4%ということで質疑されましたけれども、こういう議論自身が意味が成さないことになりますね。

今の大阪市という枠の中で、52億がなんぼになったらいいのかという議論は、もともとの提起から言うと、今のご答弁にもあったように、いやもう再編するんだと、大阪市という単位はなくなるんだという前提で提起している中で、一方では52億は少ないとか0.4%だとか、あるいは資料にありますように各行政区ごとで平均550億だとかいうような話自身が、全く意味を成さない。

先ほどうちの山中委員が申し上げたように、話が混在したままで提起されて、大阪市の今の形のままで各行政区の区政のあり方を問うているのか、それとも、もうそんな再編の後の話として区長公選から中核市並みという議論になっているけれども、これは議論からすれば、そういう風な議論として今なされていると思うんですね。

そういう意味では、私は52億だとか0.4%という議論はそもそも意味をなさなくなっていると。

ましては先ほどの話にあったように、知事と市長が大阪都構想を巡って議論をやれなんていう、そうすると、もともとの最初の話の提起から見れば、結局大阪都構想をめぐって議論しているということになるわけでね。

だから私らは問題提起を受けて一所懸命考えてみたけれども、中身はもうむちゃくちゃになって混在して提起されてるもんだから、何を問題にするのかということ自身も、大変複雑なものになってしまっているという状況にあると思いますね。

したがってもう一遍改めてお聞きしますが、基礎自治体というものは、今皆さん方議論しようとしている基礎自治体というのは、大阪市を基礎自治体にしたうえでの区政を議論しようとするのか、そうじゃなしに基礎自治体は区なんだと、それは先ほど「特別自治区」だとか「特別区」だといかいう、あるいは東京都をモデルにしているとかありましたけれども、だけれども東京都とは違うんだという話なんですけれども、これを明らかにして欲しい。

2つ目は先ほど来、税制の仕組み、これは明らかにすべきだ、だけど明らかにできないという話をしておられたが、先ほど山中委員がお聞きしたのは、大阪市内には広域的施設がたくさんあるということで、再編後はどうするのかという質問しましたが、これに全くお答えありませんが、同時に少なくとも枠組みとして、先ほどモデルを、東京都をモデルにするとおっしゃっていたが、東京都であれば、これは例えば固定資産税だとか、その他の税はいったん都が吸い上げた上で交付する、調整交付するという仕組みを作っているわけですよね。

少なくともこういう仕組みの上で、再編した上で府なり都なりか知りませんが、広域自治体がそういう税を吸い上げた上で各基礎自治体、「特別自治区」なのか、に配分するという枠組みなのか、少なくともそういうことぐらいは明らかにすべきだと思いますね。

同時にそうなると、先ほど言われた広域行政の一元的純化ということと、基礎自治体の自治機能の強化、これ車の両輪ということで提起されましたが、そうした場合に自治機能という以前に、基礎自治体に配分される税源・財源が、今の大阪市という枠の中で大阪市民全体に使える基礎自治体としての財源と、特別区になった後の基礎自治体に配分される財源、今言った広域行政の純化によって一元化によっていったん全部吸い上げられる、こういう話ですから、どういう基礎自治体への配分、今より多くなるのか少なくなるのか、東京都の例で言うと間違いなく少なくなるわけですよ、というあたりを明確にすべきだと思うんですね、考え方としても。

3つ目は、一元的広域行政に純化をして、その税源を一体どういう形に使おうとするのか。じゃあ広域行政といいますけれども、今大阪全体として一元化した財源・税源吸い上げたものを一体どこへ使おうとするのか、この方向性は明確にすべきだと思いますね。

この3点お願いします。

 

(共産 山中委員)

ちょっと答弁というかお答えの準備いただいている間に、関連ですけれども、先ほどから財政調整の話が出てましたけれども、財政調整以前に、以前にというか冒頭に言いましたように、中核市並みの権限財源というときに、今、北山委員も言いましたけれども、じゃあ東京都では都税というふうになっている固定資産税や都市計画税、特別土地保有税、法人市民税、こういうものをどうするのかというのかということも、お示しいただきたい。

そういう財政的にどうなっていくのかというのは、大阪市の理事者の協力が得られないと示していただけないと、先ほどから繰り返しおっしゃっていますけれども、去年の財政総務委員会で、例えば私どもの前団長が色々と試算いたしまして、仮に東京都だったら45%:55%という風に財政調整をしているものを、今、大阪市域でやられている、恐らく維新の会の皆さんがおっしゃっているように大阪市がつぶされて、どんな形になるのかわかりませんが、特別区なりのものになったときに、そこで担っていかなければならないだろうと計算されるもの、今の大阪市の仕事の中で、様々な特別会計を除いて、恐らくその残った自治体が、それを担っていかないといけないだろうと思われるものを数字を出した上で、じゃあ財政調整がどうだったらやれる可能性があるのかを計算しましたが、仮に100%、今の市域に配分されたとしても、107億円不足するという、そういう質疑を去年させていただいております。それはそちらの団長さんとの間でそんな議論がありました。

そのときにも、「我々が要求しても出さない資料を共産党に出したんだな。」という発言もありましたが、決して我々は理事者の皆さんに作っていただいているわけでもなくて、議員が議員としての勉強なり任務を果たして調べれば出てくる数字ですのでね。

こう細かい具体的なことを詰められると、理事者の協力がないからできないんだという風に、そうやってずるずると延ばすというやり方はいかがなものかと思います。

やっぱりその上で率直に、なぜ分市ではいけなかったのか、やっぱり分市では広域のほうにもっていく名目が付けられないということなんだろうと思うんですよ。

結局、最終的にはいろんな名前、ころころ変わりながら、結局はどこかに広域というものを別に作って、今、大阪市域にある税収も財源も取り上げていって、一体何をしようとしているのか、一番何をしたいのかということも全部その全貌を明らかになさった上で秋に向かわれるべきではないか、それが政治家の誠実な姿ではないかと私は思います。

 

(維新の会 河崎委員)

今ちょっと長く質問いただきましたけれども、大きく3つでよろしいですかね。

ひとつこんな資料配っても意味ないやんかという話ですよね。

これは現行制度を基にして、今日お配りした、今一応3000億ぐらい基礎的な事業がある資料なんですけれども、これが意味ないとは思っていません。

今、こういう大阪市において基礎自治的な事業がこれぐらいのお金が使われていますという共通認識を持っていただくには非常に有益な資料だと思ってご提出させていただいております。

大体、今、財政調整の議論に終始して、ここはわかりにくい、はっきりしろという話になってるけれども、この手の話をすると僕なんかがいつも市民の方と話すときはそうなんですけれども、いきなり財政調整とか財源どうなるねんという話をすると必ず混乱するんです。

というのは、この前提には、結局基礎自治体が何の仕事をするのか、広域自治体が何の仕事をするのかという、仕事をはっきり決めないと、じゃあそれに見合った財源をどう充てるのか。

仮に特別区と都が財政調整するには、その中の税目がどうなるとか、割合がどうなるとか、東京都制度に比べてどうすることが適切なのかというのは、仕事の内容、基礎自治体がこういう仕事をする、基礎自治体にはできない仕事を広域が担うという仕分けが、非常に大切です。

我々も、もちろんイメージ、大まかなイメージとか項目を出すことはできるんですが、事業数ベースでいくとたぶん何千とかになると思う。

細かい予算付けると万単位の事業になると思うんで、実はその仕事をどう振り分けるかという議論だけでも大変な労力がありますし、我々政治、地域政党である大阪維新の会単体で何千事業を全て項目出して、「あれ」というか秋の陣というか、秋の陣という言い方が適切かどうか知りませんので、「あれ」にしときますけれども、「あれ」に提示するかどうかはお約束できませんが、ただ、なるべく市民の皆さんにわかりやすいように、基礎自治体の仕事というのはこういうものです、広域、大阪府域における広域行政体が担う仕事はこういうものですということはご説明させていただきたいと思っています。

もう一点すみません。財政調整の議論は、しっかり仕事の役割分担をしなければいけないという答えで、ちょっとご理解いただければと思っています。

 

(共産 北山委員)

いま、まったくこれは意味がなくはないとおっしゃったわけですけどもね、今のご説明でも前の説明のところでも、同じこの数字を、基礎自治体として担う住民サービスに、大阪市は各区にこれだけお金をかけていますという説明資料。こういう説明になっていますね。

だけど、このいわば、その52億というような数字がね、これが大阪市として基礎自治体として担う行政サービスのこういうものではないわけでね。

だから全体として、大阪市全体として、基礎自治体として、1兆3000億、まあこの数字で言えばね、使ってるという今の現状の中での配分した数字であってですね。

だからそういう意味ではですね、あなたのおっしゃる今の議論っていうのは、大阪市を再編しての議論としてやっている中でね、この52億の問題だけを問題にしてもね、わたしは意味がないんじゃないかと申し上げている。これひとつね。

それから、今、基礎自治体が何をすべきか、広域自治体が何をすべきかをはっきりさせにゃいかんと、いま現在ははっきり示されておらないわけでね。

これからはっきりさせるとおっしゃてるわけだから、はっきりされてない。

だから現状で、基礎自治体がやるべきこと、広域自治体がやるべきことがはっきりさせられていないままで、その純化をはかる、一元化をはかるだとか、あるいは基礎自治体の自治力を強化するだとかいうことの、じゃあどこに根拠があってそういうことをおっしゃるのかね、まったく根拠が示されない。

つまり基礎自治体がこういうことをすべきなのに、こういうレベルで終わってるとか、広域行政でこういうことをやるべきなものがこういうことが欠けているから、純化すべきだ、一元化すべきだというならわかるけれども、一体どういう根拠を元に、そういう基礎自治体の強化だとか、あるいは自治力の強化だとかをおっしゃてるわけだけども、何を根拠にそういうことをおっしゃってるのか、さっきお答えなかったことで言えば、結局じゃあ広域行政で一元化して、一体どこにその財源を投入しようと考えてるのか、それがないとですね、こんな話の根拠は出てこないんですから、そこは明確にすべきじゃないかと申し上げているんです。

 

(維新の会 河崎委員)

すみません。わたしの質問、財源をどう投入するか、広域行政で担う、例えばですね、都市インフラとかそういうこと、大規模事業はやめろとかそういうご主張なのかもしれませんけども、まぁ広域が担う役割としては、その圏域の経済を引っ張っていくということがいえると思うんですね。企業誘致であったり、産業政策であったり、都市インフラの整備であったり、そういうものを広域行政体が担うべきであろうということは、地域政党大阪維新の会が結党してから、ホームページでもマスタープランとして掲げておりますし。

あと、その具体性がどこまでだというのは、じゃあ何百事例を挙げれば具体的だと、それはもう程度の問題だと思いますので、ただし「あれ」の前にはですね、なるべく市民の皆様にご判断いただけるように、具体的なものを出そうと思っています。

で、根拠という意味がちょっとすみません、わたし、よくわからないんですけども、もう一度、質問の趣旨を教えてください。

 

(共産 北山委員)

基礎自治体としての、区の区政の充実強化が必要だと主張されているわけですね。

だから、その根拠で挙げているのが、今この52億だというところなんですよ。

ところが、実際の議論は、今の大阪市の形はもうなくした後の話で、ずっと議論は進められているし、4つのテーマもそういう前提のテーマになってるわけですよ。

だから区長の権限にしろ、あるいは中核市並みという定義にしろ、大阪市の今の枠を壊した上で、こうすべきだとおっしゃてるわけですよね。

だから話として、根拠にしているものは今の大阪市のね、前提としてるもので、数字を挙げて言われてる。

ところが、実際の定義してることとは違う話として出てきてるわけですね。

だからそういう基礎自治体強化というものをどういう根拠で、どういうふうに進めようとしてるんかということをお聞きしてるんですよ。

 

(維新の会 河崎委員)

我々は新しい大阪府、大阪市を統合、再編して新しい形を作るということが主張であります。

各会派の皆様にお尋ねしたいのは、今の現行法の枠内で進めていくのか、それとも新しい姿を作るということに挑戦していくのか、どちらかということで、これはやっぱり議論の目線が全然違ってくると思うんですね。

そこを各会派の委員の方に明らかにしてほしいんですけれども、この今の52億しかない、この資料が現行制度を前提としてるけども、維新の会は新しい制度を作ると言ってるから、根拠がどないやねんと言われても、でも今の現状はですね、これぐらいのお金が使われていますというのはまさにこの数字なんですよ。

基礎自治体的な事業を理事者の皆さんが積み上げてですね、1兆3000億というこの金額が出てきて、わたし細かい項目を挙げたものも手元に資料もらってるんですけども、いずれにしても、基礎自治体的な事業は、いまこれぐらいのお金を使ってやってますという事実には変わりませんので、それで我々が主張している再編したときにはこうしましょうという議論の土台には、参考にはもちろんなります。

これぐらいのサービスがこのお金を使われているということですので、だから意味がないとは思っていません。

 

(公明 明石委員)

今、議論を聞いていましてね、一番最初にちょっと、おおもとに戻せば、今の大阪維新の会の皆さんが、お話されてる「特別自治区」、これは「特別区」がどんだけひっつくんかいうのもわかりませんけども、その中で、簡単に言えばね、今の24区の予算はいま言われたとおり、52億、これが23年度予算です。

これがいまいわれる、一元化すると、広域に、それで広域でできることは全部しましょという話を今言われてるので、でも基礎自治体である、いま一番市民生活に携わっている、基礎自治体部分の今いわれてる「特別区」、それをまとめて「特別自治区」ということで今いわれてますので、そうなると、そこの「特別自治区」では、たとえば、どんだけの「特別区」をまとめて、24区をどんだけまとめてどんだけされるのかいうのは提示ないのでわかりませんけども、ただ、趣旨説明では30万を超える規模、中核市ではないんですよ、市ではないんですよ、いわれてるのがね。「並み」っていうことでいわれてます。そのなかで実際いままで、52億、24区で平均52億です、実際、いまいわれている、構想されている「特別自治区」ではどの程度、これを参考にして、どのくらいの金額がくるのか、教えていただけますか。

 

(維新の会 河崎委員)

前提として、われわれ「中核市」を作るとはいっていません。「中核市並み」の権限を有する「特別自治区」を創設するということを主張しております。ここは議論の前提と確定させていただきたいんですけども。前提として、みなさん、反対だと思うので、われわれはそうしたいとおもっています。

その是非の議論をさせていただきたいのですが、府内の中核市は東大阪市と高槻市ですね、東大阪市の一般会計は1800億円くらいだと思います、高槻市が約1000億円くらい。あとは人口要件で中核市を満たしているのは豊中市、吹田市、枚方市、これもいま中核市移行の動きがございますけれども、およそ1000億円程度の、一般会計というか予算規模があるんですね。

われわれが30万人に区切ってということはまだ、確定しておりませんが、「中核市並み」の権限を有する「特別自治区」を作るのであれば、やはり人口規模も30万かそれ以上ぐらいが穏当であろうと仮説を立てております、仮説というか、そういう主張をしているんですね。

なので、中核市、30万としたらだいたい、数百億、700億、800億くらいの規模になるのかなと思います。単純に人口比較をすれば。府内の他の中核市とくらべてですね。ただそれがいくらになるのかといのはまさに「特別自治区」が担う仕事がどういうものかということがあってはじめて積算できることなので、いま、具体的にいくらになるかということはさっきいったイメージ程度でしかお答えできません。

 

(公明 明石委員)

イメージでしかないというのが率直な話ですね。一番大切な住民生活を営むところの金額がわからないということですよね。たとえば維新の会のみなさんが市長選挙で勝ち得た、吹田市、いま現在中核市を目指してる。この都市をなぜ維新の会のいまいわれている「特別自治区」として目指さないんですか。

 

(維新の会 河崎委員)

大阪市、堺市の政令市以外の周辺市を特別区にはいるかどうかという議論は、いま大阪維新の会でも議論をしている最中でございます。ただし、すくなくとも、大阪市長選挙、そして、大阪府知事選挙で、周辺市を特別区にいれるかどうかを確定してですね、みなさまにお示ししなければいけないとは思っています。

できればこれにこしたことはないんですけども、そこを突き詰めると、財政調整の問題になってきます。先ほど話が立ち消えましたけども、大阪市が有する資産、債務の承継をどうするかとかですね、きわめて技術的、テクニカルな問題にもぶちあたりますので、まずはしっかりと広域自治体、基礎自治体の役割分担はどうするのか、そして、いまの大阪市域をどれくらいの規模、どれくらいの権限、財源をもたせる基礎自治体として再編するのかというのはお示しさせていただくつもりです。

 

(公明 明石委員)

示していただきたいと思いますし、そうでないと分からない。まったく分からない。

仮に大都市における主な特例事務というのがあります。このなかに政令指定都市のもってる分、中核市の主な権限、たとえば、中核市の主な権限でも身体障害者手帳を交付できるんです。中核市になれば。また、このなかでも母子相談所の設置、相談員の設置、これもできます。それから高齢者対策である、養護老人ホームの設置許可、これも市独自で出せます。

だから、いまの特別市並みっていうのは中途半端、30万以上で、なにもきまっていない。財源についてもそこでどんだけ使うかもまだわかりません、それであったらわれわれ何を基本に議論していくのか、やっぱり、市民生活を守るためには、支出と歳入、このバランスが必要なんですよ。

いまは大阪市がそれをきっちりやってる。さきほどもそれはご理解いただいてるみたいなんでね、そこが一番のポイントなんですね。現実、いまの大阪のこの基礎自治体、大阪市ひとつとしての自治体、いまは24区ありますけども、これをどのように分割するかいうのもまるっきりわからない。

それであって、いまの維新の会のみなさんがいわれていることに対して、もう少し、そのへんは明示いただかないと議論が進まないかなと思うんですよね。

 

(維新の会 河崎委員)

これは、私はですね、さきほどから、目指す自治体がどんな仕事をするのか、そこを軸にやらないと、なかなか詰まっていかないということは再三主張しておりますし、ここは水掛け論になってくるかもしれないですが、その考え方のベースとして、中核市の事務、保健所の設置とかかなり負担がかかるような、行政主体としては負担がかかるような事務事業もありますけども、そういう自治体を作るということを、まず整理しなければいけないということが議論の基本になりますので、さきほどちょっとみなさまにお尋ねしたかったのですけども、結局、枠を超えて、大阪府、大阪市で統合再編、役所の統合再編をしようとすることもよしとするかどうかを、各会派の皆様に意見をお尋ねしたいんですが。

 

OSAKAみらい 奥野委員)

それは、場合によったらしたらいいと思う。何のためにするかという話なんですよ。いまも議論、ぐるぐるまわってんねんけどね。こないだ趣旨説明で言うておった都市経営で、無責任状態、要するに大阪市の市域とそれ以外と二つに分かれてるからどうも二つのリーダーというか、経営の主体があって、不明確になっているという言い方をしてはったと思うねんけどね、どうもね、大阪市はいま大阪市長をリーダーにこれまでもしっかりやってきてるし、ただ、景気の変動とかいろんなこともあってね、厳しさもありながらも都市経営っていう言い方より、自治体ガバナンスとしては僕はやってると思うし、それをより強化をしていくということがまず第一であって、そこがどうしてもダメやっていうことがあなたたちの論理やと思うけども、二元やからあかんということではないと思うし、今、話のなかでが出てる、大阪市の基礎的自治体的な業務と大都市の機能を分けてというのは、今日の議論のなかでだいぶ出てきてるんやけど、結局それは、財源も人もいうてみたら施設もハコもみな分けんとできない話に入ってるわけですよ。そこでなおかつ、事務事業も詳細に分けていかなあかんな、ほなちゃんとわけなさいよという議論になってきているねんね。そんなことをいったいなんのためにやってんのかということにすごい疑問を感じるんで、それに対して答えてくださいよ。

 

OSAKAみらい 山本委員)

関連してちょっと。同じ答えてもらうんやったら。ここの場は、大都市大阪市の持続的発展、市民のための都市をどのようにして作っていくかという、考え方、あるいは手法の違い、そういったものがあるから、テーマを決めて、出し合って議論しましょ、とこういうことなんでしょ。

さきほどの河崎さんの話やったら、大前提として、大阪都構想にむけての再編・統合に賛成するのか反対するのかどっちですか、という問い方をしてきて、それはむちゃくちゃちゃいますか。

討議をするなかで、討論をするなかで、しっかりとどちらのやり方がいいのか、本当に河崎さんがおっしゃってるやり方がいいんやったら、そういうことやったんかいうて、われわれ賛成しますよ。

そやけども、そうじゃないことがいっぱい出てくる。基礎的自治体いうてみたり、基礎自治体的いうてみたり、基礎自治体やいうてみたり、言葉がまったくあいまいなんですよ。

このことについて、わかりませんとか、いうようなことが続いてるからね、だからもっと、あなた方がどういう大阪市、分割して、解体して、こういうすばらしい自治体になるんですよっていうことを示してくれはったらいいんですよ。

 

(漆原委員長)

この際おはかりいたします。委員会を暫時休憩いたしたいと思いますがご異議ありませんか。

 

《異議なしの声》

異議なしと認めます。よって委員会を暫時休憩いたします。

 


 

【委員会再開】

(漆原委員長)

これより委員会を再開いたします。

この際申し上げます。これまで委員会討議を活発に行っていただきましたが、討議テーマに関する論点の整理が必要であろうかと存じます。

従いまして、本日は、この程度にとどめたいと思いますが、ご異議ありませんか。

 

《異議なしの声》

 

異議なしと認めます。本日の委員会は、これをもって散会いたします。